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異世界忍者推参!!〜二つの前世を活かして、転生先で冒険者ライフ満喫〜  作者: 櫛田こころ


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第7話 まずは、簡単な依頼から

 セイを従魔にしたことになっても、いきなり仕事内容を激変したりはしない。


 俺の職業(ジョブ)はアサシンだけど、魔物討伐だけの依頼を受けたりはしない。採取系ももちろん、護衛だったり色々。


 昨日までのは採取とかだったから、今朝ギルドに納品しに行って報酬金をもらってから、次にどの依頼を受けようかボードを見て眺める。


 最近拠点にしている、ティルンってこの街は住み心地が良くて気に入ってはいたんだけど……セイには、もっと色んな場所を見せてやりたいし、経験も積ませてやりたいから近いうちに発とうとは思っている。


 とは言っても、セイの戦闘能力の基礎基本がどのくらいかを見極めてからだけどな?



「ん~~。今日はこれにするか」



 採取系と討伐系をひとつずつ。


 小銭稼ぎくらいの報酬金しかもらえないけど、俺の懐はまあまああるからそんな問題はない。


 セイを従魔にしたばかりだから、まずは小手調べくらいでちょうどいいはず。


 街を出てから、セイとダッシュしながら山の中を駆けていく。セイの運動能力も見たいから、まずはどれだけ持久力があるのかもたしかめたい。スピードを落としている俺の横を難なくついてこれるから、慣れてくればもう少し速くしても問題なさそうだった。



「リアン。まずは何するの??」



 ボードを見ても識字が出来るわけじゃないから、質問してくるのも当然。悪いことじゃないから、俺はまず預かってきた紙の一枚をセイに見せながら説明することにした。



「ここにはな? ギルドに依頼してきた人間とかが、欲しいものの種類とか数が書いてあるんだ。今日のは、リバリーの葉っていう薬草だな」

「やくそー?」

「魔法だけじゃなくて、薬を作ったりするときの材料な? 俺にその技能はないけど、材料集めの依頼は受けたりする」

「大事なこと?」

「薬が出来れば、怪我とか治せるものになるし。俺も買えるから、必需品に近いな」

「こっちに書いてある葉っぱを見つければいいの?」

「そうそう」



 識字は出来なくても、絵の意味はちゃんとわかるようだ。まったく理解力がないわけじゃないから、フェンリルは賢い生き物なんだなと改めて実感してしまう。



「ぼく、これ見たことある~~」

「お? どこだ?」

「ん~~。リアンと会った場所から、そんな離れてないとこ」

「よし。距離あるから、俺の肩乗れ」

「はーい」



 ダッシュも悪くないが、枝の間を跳んで移動した方が早いはず。


 リアンにもこの移動方法が出来るようになれば、成長途中までは使えるだろうから一石二鳥ってやつか? だけど、練習は必要だし、速さに慣れた方がいいから肩に乗ってもらった方が楽だ。


 昨日の拠点については、だいたいの目印を魔法でつけてきたからその気配を察知すれば問題ない。


 移動を繰り返し、焚火跡を確認してから地面に降りる。セイの様子は至って普通。乗り物酔いのような症状は見られない。身体は小さいが頑丈さはあるようだ。



「こっから、どれくらい離れてる?」

「んーと。リアンの脚ならすぐかな? 向こう側」

「よし、ダッシュの練習兼ねて行くか」

「はーい」



 よーいどん、と駆けていっても。セイも慣れてきたのか、うまいこと並走できている。


 俺の脚ですぐなら、このダッシュで五分以内ってところか? それがその通りだったのか、独特の草の匂いがしてきたので……立ち止まったあたりで、低い葉の群生地と遭遇。間違いない、こいつぁリバリーの葉だ。



「お! ほんとに、たくさんあるなあ?」

「これでいーい?」

「ああ。充分な成果だ。インベントリにたくさん入れて行こう」

「はーい」



 採取の方法も、セイには難しいかと思ったが。葉を傷つけないように根元をかじるだけで大活躍してくれた。かじっては後ろに貯めてを繰り返し、お互いに山盛り収穫したら俺のインベントリに入れておく。


 終ったら軽く腹が減ったので、次の依頼の前に腹ごしらえすることにした。



「リバリーの葉は塗り薬っていうのに、よく使われる葉なんだ」



 昨日多めに作った熊のステーキサンドの残りをふたりで分け合いながら、セイの勉強の続きもしてやる。合間合間に、勉強していく方が効率いいと思ってな? 実践もいいが、談義も大切。なにも知らないままいきなり首突っ込んで、怪我したら大変だというのは忍者でも料理人でも同じだった。料理人の方が最初の頃はドジ踏んでたな~? リアン(俺)でもガキの頃はまあまああったけど。



「人間の役に立つの?」

「お前にも使えるかもしれないな。治癒魔法だけで治るとは限らないし」

「そうなんだ。お薬大事だね?」

「だな」



 次の依頼は、ゴブリン討伐。


 セイがゴブリンくらいなら狩れると事前に教えてくれてたから、少ない討伐数でいいものを選んだ。それを告げてやれば、先に食べ終わったセイが活き活きとした表情になっていく。リバリーでも役に立てたが、実戦でもっと役に立てるのなら嬉しいといった感じだ。


 伝説の聖獣、フェンリルの力の片鱗をどこまで見られるか楽しみであるが。


 無茶はしないように、見守りはするけどな? 俺、こんな保護者意識持ってたっけ? セイが可愛いせいかも。


次回は火曜日〜

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