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異世界忍者推参!!〜二つの前世を活かして、転生先で冒険者ライフ満喫〜  作者: 櫛田こころ


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第4話 熊肉ステーキサンド

「わぁ! お肉たくさんあるね!!」



 解体を終わってから、積み上がるくらいの肉の山を見てセイは喜んでいた。


 フェンリルの場合だと生肉でもいいだろうが……せっかく相棒になったんだから、人間の料理も作ってやりたくなってきたんだよな?



(動物に生肉あげ過ぎるのもよくないわぁ)



 女のツッコミがあるくらいだし、俺もたしかになと思う。腹壊す心配は無いにしても、ちゃんとした料理の味も知って欲しい。なら、ここはそっちの前世で培った技術を披露するまで。



「セイ。俺の相棒になるんなら、俺と似たような食事が出来るようになった方がいい」

「? このままじゃダメなの?」

「もっと美味い食い方があるんだ。食いたくないか?」

「リアンが美味しいって言うんなら、食べてみたい!!」



 インベントリにある食材とかを確認したあと、まずは道具とかを引っ張り出してきた。


 これまでの依頼料とかで買い込んだ、マイキッチン道具とか。鍋、包丁にまな板とか諸々。前世の記憶のひとつが戻ってからは、こういうの買い込んで野営料理も随分と楽になった。持ち歩くのもインベントリがあるおかげだから、スキルや魔法生活の便利さも偉大だけどよ?


 とりあえず、そこそこの戦闘をしたから腹も減って仕様がない。とは言え、セイにただ焼いた熊肉を食わせるのももったいない気がした。


 調味料とかソースストックにスープストックを確認すれば、二人分くらいは余裕。なら、セイのはじめての食事に相応しいセットメニューにしてやろうと思いついた。それでも、人間の手足があるわけではないから……メインはサンドイッチ風のがいいだろう。


 熊肉の部位を確認してから、まず筋取りをしていく。



(適当な厚切りにして……肉はフライパンでミディアムレアくらいに焼く)



 前世だったらアルミホイルとかって銀紙利用してたけど。この時代じゃ、それは高価なものかそもそもないのかで使ったことがないから。そこは女だったときの仕事で培った勘で焼き加減を見計らう。だいたい出来たら、まな板の上にのっけてふたを被せた。



「リアン? お肉焼けたんじゃないの??」

「生焼けにしないために、余熱ってやつであっためてやるんだよ。そうすると、中までちゃんと火が通るんだ」

「そうなんだ~」



 なんにも知らない聖獣でも、美味いもんには興味が出てきたみたいだ。自分で狩りが出来るようになれば、こういう美味いもんが食えるんだと教え込むのも教訓のひとつとしていいだろう。


 フライパンをきれいにしたら、今度はパンを出して軽く炙る。炙った面に薄くだがバターを塗って、温まった肉を乗せる。そこに手づくりのソースストックから甘辛いもんを選んで軽く垂らす。さらにパンで挟む。



(布で馴染ませると、パンにも肉の味が沁み込むからうんまいのよねぇ?)



 と、脳内ツッコミはきたがその通りだと頷ける。俺の今までの経験の中でも、サンドイッチを作るときはそうしていたから今回も同じようにした。


 あとはこれだけじゃ足りないから、スープストックから汁物を仕上げて……サンドイッチをカットしたら完成。


 そこそこ手間をかけたおかげで、美味そうなセットが出来上がったと思う。



(熊の肉か。やわらかくて美味そうだ……)



 忍者の方が食欲センサーを出したかのようなツッコミをするが無視。戦いのときは的確な指示を出せるように鍛えられた方ではあっても、別に食べるのはお前じゃないんだからなと言いたい。



「セイ。これで出来上がりだ」



 とにかく、一番に食べさせたいのは相棒になりたてのセイだからな? 皿にスープとサンドイッチを用意してやったら、大喜びと言わんばかりにふんわふわの尻尾を強く振り出した。



「すっごくいい匂い!! ぼくも食べていいの!?」

「いいんだって。俺も食うから」

「わーい!!」

「んじゃ、食うか」



 セイは豪快にかぶりつき、俺は端っこからひと口かじりついたが。


 互いに声を上げたのは同時だったと思う。それくらいの美味さが体を突き抜けていったからだ。



「美味しい!?」

「うんま!?」



 はじめて狩ったあの魔物だが、肉質は鮮度抜群でも臭みがほとんどなくて柔らかい。脳内ツッコミしてきた忍者の言う通り、やわらかくてソースとの相性もばっちし。セイも遠慮せずにがぶがぶと食べていくのに対し、俺も腹が減っていたのでがっついた。


 合間に、スープを含むと濃いソースが洗われていくようで少しほっとする。このスープストックがオークの骨から出汁取って作ったのが毎回信じられないと思うくらい、美味いんだよなあ?



「リアン! すっごく美味しいよ!! 人間のご飯ってこんなに美味しいの?!」

「まあ、俺の場合は前世の片方が料理人だったしな?」

「りょーりにん?」

「飯作るのが美味いやつってこと」

「そうなんだ! 強いのも、ぜんせのおかげ?」

「そ。そっちの方を思い出すのには時間かかったけど」



 たった二年程度でソロを名乗れるくらい強くなったんだ。失敗した任務は当然あるし、目の前で死んだ冒険者とかも見てきた。


 忍者の時に見た、死屍累々の光景じゃないにしても……あれは、あと味の悪い出来事だったな。あんまり思い出したくないが、出来立ての相棒をしなせないためにもこいつが独り立ちしてもいいくらいに強くしてやろうという気力は湧いてきた。


 とりあえず、腹ごしらえが終わってから街に戻って、従魔契約の書類は提出しないとな? 聖獣って悪目立ちしないように偽装くらいはしなくちゃなんないが。

次回は火曜日〜

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