××××より
小松原想乃様
この手紙はおそらく読まれないでしょう。それでも、万が一のために書きます。
もしも小松原さんがこの文章を読めていたとしても、ここから先の内容は、意味がわからないものになっているかもしれません。不気味に感じていたなら、申し訳ない。だけどどうか、最後まで目を通してほしい。
僕はこの手紙で、約束を破ることを謝りたいのです。
絶対死なないでと言った小松原さんを、僕はこれから裏切ります。ごめんなさい。
僕は、死の淵まで行こうと思います。そこへ行けば、過去に戻れるのだと、ある男から聞きました。
僕は過去に戻り、間違いを正します。
新しい未来を、小松原さんに送ります。そこで僕のことなど知らないまま、幸せに生きてほしい。
一緒にピザ作ろうと言ってたのに、結局一度も実現できなくてごめんね。
パンやカップメンばかりじゃなくて、他のものもバランスよく食べてね。
無理はしないで、ずっと元気でいてね。美南さんとも仲良く。なんでも自分のせいだなんて思わなくていいんだよ。
嫌なことがあったら怒っていいし、誰かにぶつけたっていい。ちょっと八つ当たりしたくらいで、誰も小松原さんを嫌いになんてならないから、大丈夫だよ。
もう会うことはなくても、出会うことすらなくても、僕は永遠にあなたのことを思い続けます。いつまでもあなたの幸福を願っています。
僕と出会ってくれてありがとう。
小松原さんを好きになれて、僕は幸せでした。
××××より




