↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
望まぬ転生をした俺は、三度目の生を生きる  作者: 放浪猫
緑の怪物

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/41

34話

そこで、俺の最初の記憶は途切れている。


 剣が振り下ろされて、それから、どうなったのか。痛みはあったのか、なかったのか。覚えていない。ただ、あのあたたかい光の中で、彼女の涙に濡れた顔を最後に見て、俺の最初の生は終わった。


 名前の話から始めた。

 名前がまだなかった頃の話を。緑の小さな、何も持たない、はぐれのゴブリン。言葉も名も居場所もなかった、あの生の話を。


 あの生で、俺はたくさんのものをもらった。剣を。技を。言葉を少し。そして、名を。守る者、という名を。その意味も知らずに、俺はそれを生きた。誰かを守って、守れなくて、また守って。最後は、その名をくれた者に看取られて、死んだ。


 悪い生では、なかったと思う。

 奪われることから始まった生だった。だが終わってみれば、俺はたくさんのものを与えられていた。そして、少しは与えることもできた。あの女に。相棒に。名も知らぬ、あの人間たちに。差し引きしてどうだったのかは、わからない。だが、悪くはなかった。そう思いたい。


 これで終わりだと、あのときは思った。

 一つの生が終わり、すべてが暗闇に還る。それでおしまい。緑の、はぐれの、小さな何かの、短い一生の幕切れ。誰にも知られず、あの女の記憶の中だけに残って、あとは消えていく。そう思っていた。


 だが、そうではなかった。

 俺の生は、そこで終わらなかった。終わらせてもらえなかった、と言うべきか。あのあと俺の知らないところで、誰かが何かをしていた。俺のこの、ちっぽけな魂に。


 ——だが、それを知るのは、まだ少し先のことだ。

評価・星頂けたら嬉しいです


ダメ出し、もう見ないコメでもなんでもオケです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。