表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イマジナリーフレンドですが、異世界で実体化しました。〜偽物だった俺たちが、本物になるまで〜  作者: 老狼肉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/11

第6話 自己犠牲の世界

 しばらく運ばれていると

 洞窟の中に鳥の巣のようなものがある。

 僕の知ってる大きさよりもずっと大きい。


 巣にはこの鳥の雛が3匹いる。

 雛と言っても、かなり大きく

 僕よりも2倍ほどの大きさがある。


 なるほど、ゴハンって

 この子たちのご飯にするのか……

 絶対に嫌だ!


 巣の中に放り投げられそうになったところを

 逆に親鳥の脚を掴み、抵抗する。


「ゴハーン、ゴハーン」


 雛鳥たちが鳴き始める。

 焦った親鳥は僕のことを蹴っ飛ばし、

 巣の中に蹴り入れた。

 すると、親鳥はどこかに飛び去っていく。


 雛鳥たちが次々と僕を啄もうとする。

 必死に避けたけど、鋭い嘴が何度も体を掠めた。


「いたっ!

 く、くるな!」


 巣に使われている枝を引き抜き

 それを振り回す。

 雛たちは少し怯むがすぐにその枝は取り上げられ

 再び啄もうとしてくる。


 僕は必死に逃げ惑う。

 どのくらいの時間だったかはわからないが、

 少なくとも僕には数時間のことに感じられた。


 体はボロボロになり、足もやられ、

 逃げることも難しくなる。


 ここで終わりか……

 ヴィクトリアさんには悪いことしたな……

 あの人、なんだか、いい人そうなんだよな。

 ちょっと無神経だけど……


 はぁ、セカイがいれば、

 寂しくないんだけどな。

 なんで僕の中から消えたんだろう……


 そんなことを考えていると、

 雛鳥が僕の頭に目掛けて嘴を振り下ろしてくる。


 僕は目を瞑り運命を受け入れる。


「させるかぁー!!」


 強烈な叫び声に目を開ける。

 目の前ではヴィクトリアさんが雛鳥の一体に

 強烈な飛び蹴りを入れていた。


「ヴィクトリアさん!」


「遅くなってすまんのぉ。

 アーグの案内が遅くてのぉ。」


「僕のせいにするな!」


 アーグさんはヴィクトリアさんに

 抱き抱えられながら、怒っている。


「ゲキテツ!パース!」


 すると、ヴィクトリアさんは僕の方に

 アーグさんを投げつけてくる。


「うわぁー!」


 アーグさんは悲鳴をあげ、僕の方に飛んでくる。

 僕はアーグさんをなんとか受け止めた。


「最悪だ。人間に受け止められた……」


「あ、あの。なんか、すみません」


 僕は焦って、彼女を下ろす。


「アーグ!ゲキテツを頼むぞ。

 わしはこいつらを相手するからのぉ。」


 ヴィクトリアさんは雛鳥たちの前に立っている。

 飛び蹴りを受けた雛鳥も

 もうすでに立ち上がり、地団駄を踏み、

 戦闘態勢になる。

 さっきの蹴りを受けて

 あんなに元気なのか……


「ちっ。仕方ない。

 ヴィクトリア!隙を見て逃げるんだぞ!

 親鳥が帰ってきたらまずいんだからな!

 おい、いくぞ。手下1号。」


 アーグさんは僕の方を見て舌打ちをしてから

 ヴィクトリアさんに返事をした。

 てか、僕の名前、そっちで覚えられてるの?


 僕とアーグさんは巣を脱出する。


「ヴィクトリア!死ぬなよ!」


 巣を出た直後

 アーグさんはヴィクトリアさんに声をかける。


「かっーかっかっ!

 誰に言っとるんじゃあ?

 わしは殺しても死なんよ。」


 すごい余裕だ。

 って感心してる場合じゃない。

 早く逃げないと。


「おい、走るのが遅いぞ!

 さっさとしろ!」


 足を引きずりながら走っていると

 アーグさんに怒られる。


「はぁ、はぁ。すみません。

 足がやられてて……」


「情けないやつだなぁ。」


 巣からしばらく走ると

 数メートル先に人が入れるほどの穴が見える。


「あの穴まで行けばゴールだ。

 はやく……」


 アーグさんが立ち止まって

 僕に話しかけると、

 僕らの上に大きな影が落ちた。

 雲がかかったのかと思ったが、

 上空を見ると親鳥が落ちてきている。

 アーグさんは気づいていない。

 

「危ないっ!」


 僕はアーグさんを押し飛ばした。

 降下してきた親鳥の足は僕の右足を踏み潰した。


「ぐっ……あ……」


 右足に激痛が走る。

 感じたことがないほどの強烈な痛み。

 ナイフで刺された時も

 こんなには痛くはなかった気がする。


「いてて……

 なにするん……っ!

 おまえ……なんで!!」


 アーグさんの声は震えていた。


「ははは……

 ヴィクトリアさんの友達は守らないと……

 友達を失うのは辛いですから……」


 薄くなる意識の中でなんとか言葉を返す。


「くそっ。

 勝手なことをして……

 君に死なれたら僕が

 ヴィクトリアに怒られるじゃないか。」


 アーグさんはそう言いながら、

 僕の腕を自身の肩に回し、

 僕のことを背負う。

 怒ってるようだったが、

 やけに優しく背負ってくれてるように感じた。


「ったく。

 本当に馬鹿なやつだ。

 ……死ぬなよ。」


 僕のことを背負いながら、

 アーグさんは親鳥と対峙する。

 親鳥はかなり気が立っていて、

 僕らを殺気のこもった目で睨んでいる。


「出し惜しみしてる場合じゃないか……

 地に眠る龍よ。

 我が呼び出しに答えよ。

 ドドラゴン!!」


 アーグさんがそう叫ぶと、

 あたりに激しい土煙が舞う。

 親鳥の悲鳴をきいたところで、

 僕の意識は途絶えた。

「はぁ......てな訳で、面倒なことに巻き込まれたよ。

 まさか、ドドラゴンを使うハメになるとはね。」


「普段、インドアの僕にはキツイ運動だったよ。」


「ヴィクトリアも心配だし。

まぁ、僕たちの方がピンチではあるんだけど。」


「まぁ、この話が面白いと思ったら

 感想、ブックマークをよろしくね。」


「作者とかいう人間が喜ぶらしいよ。」


「じゃあ、また今度。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ