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二節ノイチ

短いす、


連れて来られたのは地下に広がる大空洞だった、

この街に元々あった鍾乳洞で、

本の数年前までは一般開放されて居た観光地だった。


「どうだい?ここが世界最大の反勇者派の本拠地、流石に君もわからなかったろう?」


私はここまで案内して来た男に施されるまま、その鍾乳洞を案内されて居た、

その鍾乳洞は思った以上に広くて多くの施設が存在して居た。


兵士達の宿舎もあれば、

地上から陽光の降り注ぐ中庭の様な物も在った。


そして私は、

その見ていない最後の部屋、

この反勇者派の最高指導者の部屋の前に来て居た。


「じゃあ…開けるよ?」


その男の手により、重厚な扉は開け放たれて、

遂に神秘のヴェールは解き明かされた、

少なくとも私はそう感じた。


その部屋の中には鍾乳洞らしく水が通っており、

僅かながらに陽光もさして居た、

部屋の中央に玉座が据えられており、

おそらくこの玉座に座る男…少年が指導者なのだろう。


「やぁ…強引な手を使ってゴメンね?でもどうしても君が必要だったんだ」


焦げ茶色のローブに上半身を包み、

下にはジーンズを履いて居る、

奇妙な出で立ちの少年だった。


朗らかにしながら握手を求める手を突き出す少年、

やはり信じられない、この少年が組織の指導者か…


「始めまして、僕が反勇者派の指導者で…『魔王』の、実の息子だ」


そう言うことか…



彼は魔王を母に持つ息子だという、

第一の目標は母親の復活を目指すらしい、

一度として会ったことが無いだろうに。


そして、彼は能力を三つ持って居るらしい、

能力の内容が聞けたのは一つだけだったが私はその能力を聞いて『偽預言者(アンチ・キリスト)』と名付けた。


因みにもう一人の男は念力により石を飛ばす力を持って居るらしい、

ならばこそ、こいつは五十嵐、『ゴリアテ』を殺すもの、『ダヴィデ』だろう。


そしてこの『ダヴィデ』は、なんと『アンチ・キリスト』の側近らしい、

そんな偉い立場が私を連れてくるとはどう言うことなのだろう?


彼曰く私だから、らしい。


そして、もう一つ聞いたのはあの時五十嵐の家の庭で起こった爆音と、私の家を焼いたのはこの組織らしい。


五十嵐の方は未だ交戦中とのことだ、

五十嵐とは因縁ある女戦士だと言う、

能力は教えてくれなかったのが残念だ。


私を拉致したのは勇者への復讐の為の第一段階らしい、

本来ならばもっとてこずると思って居たらしい。


「だけど報告だと随分すんなり来たらしくて驚いて居るよ、正直、今でも裏があるんじゃ無いか疑ってる」


そう言うものだろう、

だが、私に言わせればどうでもいい、

もう、草月の所に居なくて良いと思うと開放感がする。


「所で君の能力は念力らしいけど…どんなものか見せてもらっても良いかな?」


いいだろう、

どうせだから『エリコ』も見せてやる、

私の持つ最強の能力、旧約聖書ヨシェア記の6章にある街、

エリコに由来する力…


絶対守護防壁、

私を全方面くまなく囲み、その境界線に触れる物の動きを静止させる力。


運動をもつ全ての物に適応される、

だが無論、流石に空気中の振動運動までには気を使っていない。


私の持つ全ての拒絶への願望が発現させた能力、

この壁の拒絶無く私に触れることが出来るのは神父様のみだ。


『念力』の方は至って簡単、

私を中心に大体半径2mぐらいで物を上下させる、

それだけだ。


『念力』には全く興味を示さなかった二人だが、『エリコ』には流石に驚いて居た、

それが小気味よく、私の心を僅かに満たした。


草月の能力の事も聞かれたが黙った、事実私は草月の能力の事は良くわかって居無い、

ただ『聖櫃』とだけ呼称している。


憶えて居るのは『光』、引き裂かれる痛み、

私の絶対の盾『エリコ』が唯一破れた能力、

そして、それが夢で無い事証明する傷跡。


身体を洗う度に思い出される事だ…

今思えば私はあの時に嫌いに成ったのだ。


草月はその事を憶えて居無い、

私を傷付けた記憶と共に能力を封印したのだ、

英雄達はその事を知らない、だから今でも草月の能力が発現しないか待って居るのだ。


チチオヤと同じ…『火』と『雷』の力…『ケルビム』を…。


「その傷跡、見せてくれないかな?治せる…かも」


確かに…さっき聞いた『偽預言者(アンチ・キリスト)』の能力ならばこの傷跡は消せるかもしれない、

しかし、私はそれを拒んだ、

この傷跡は唯一見える私と草月の繋がりだから…

ただ一つ英雄共に侵されて居ない絆だからだ。


その時、この部屋に声が響き渡った。


「め…盟主!こいつが!相棒が死にかけて居るんです!助けてやって下さい!」


二人の簡素な鎧を来た男がやって来た、

恐らく戦闘員か何かが鍛錬中に怪我でもしたのだろう。


男の内の一人は夥しい程の血を流して居て、危険な状態である事は分かる、

ここで『偽預言者(アンチ・キリスト)』の能力が拝める…


「わかった!すぐ治す!」


そう言って立ち上がりローブを翻す少年、

彼がその怪我を追った方の男に触れると、


みるみる内にその傷は消えて行った、

まるで少年の中に消える様にして男は治癒された。


癒しの力、『偽預言者(アンチ・キリスト)』恐ろしい力、

だが私は彼が傷を癒した瞬間に微妙に顔を歪ませたのを見逃していた。



「ただいま戻りました、申し訳ありませんが五十嵐抹殺は阿久津が復活しやって来たので…」


失敗したわけか…

当たり前だな…。


「五十嵐を…『ゴリアテ』を殺す事が出来るのは彼、『ダヴィデ』のみです…」


彼らは一様に私を振り向いた、

それは、私がこの組織の最高幹部に迎え入れられた瞬間だった。


「五十嵐の能力は全身の筋肉の肥大化…つまり爆発的な筋力の増加、勿論馬鹿なので近距離攻撃しか行いません、つまり、ここは『ダヴィデ』の様に遠距離が可能な兵卒を当てる必要がありますよ?」


無論私は戦うつもりは無い、

そんな危険に飛び込む程馬鹿じゃ無い。


だが私の作戦にケチをつけてきた奴が居た。


「それでは私が奴を…五十嵐を倒せぬと言うのか!勇者の娘!」


それは五十嵐と因縁が在ると言うおんな戦士だった、

恐らく彼女は打倒五十嵐を目指して居るのだろう、

それ以外にも何なかの執着があるのかと思われる。


彼女が腰に帯びて居るのは刀、

もしかしたらこう言う物を能力の発動の媒体にするのかもしれない、

まぁ、良い、

今はこの女…20代前後に付き合うつもりはない、


「五十嵐抹殺を目論むならば…『ダヴィデ』…貴方が向かうべきでしょう」




汝の敵を愛せよ、汝を責める者の為に祈れ。


もう続きが思いつかない泣)


次は別のヒトの目線書くつもりですが誰か…

みたいな希望はありますか?


因みに現在は阿久津さんにしようかな~?

って感じです。

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