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十二節ノニ

ふっかーーつ!


☆草月目線。


姉ちゃんを助けるに当たって重要な事が多くある。

先ずは、姉ちゃんが何故今の状態に成ったかを知る事だ。


久遠寺が言うには、姉ちゃんが内罰的すぎる……つまり、姉ちゃんのせいでオレ達が不幸せに成った……と、姉ちゃんが考えてしまったかららしい。


そんな事……在る訳ねえのに。

むしろ、オレの方こそ姉ちゃんを護れなかった。


次に、どうすればあの中から姉ちゃんを出す事ができるか、だ。


イズルの奴が言うにはあの“闇”は姉ちゃんの能力『エリコ』の為出来て居るらしい。


そして、その『エリコ』が破壊出来るのは……オレの能力『聖櫃』だけ……。


そういえば、昔姉ちゃんに教えてもらった話だ。

預言者ヨシュアによる、都市イェリコの侵略。


たぶん、イズルが言っている事はその事だろう。


そして、最後に……

これが最も重要な事だけれど……。


「どうすればユーカの心を救えるか……だな」


久遠寺の言葉にオレとイズルは頷いた。

きっと、今のままだと姉ちゃんは出しても直ぐにあの“闇”を作る事になるからだ。


今あの姉ちゃんを包む“闇”は、

姉ちゃんが自分の事を世界から否定した為に生まれた物らしい。


つまり……


「優香に、自分とこの世を肯定為せる事……か」


今度は イズルが言う。


父さんと『ダヴィデ』が戦って居る。

何故だか宇津木さんはこの部屋から姿を消して、今は居無い。


ーーオレ達で、やるしかない!


「……ユーカが自分の事を否定して居る理由……」


オレを……オレ達を不幸にした、

そう考えて居る事……


「つまり、姉ちゃんにオレが幸せって事を伝えれば良いのか?」


わかっている、そんな簡単な事じゃなあ事くらい。

案の定、久遠寺は眼を怒らせて来た。


「んな訳在るか……! 」


だが、その事自体は間違って居ない。

その事が在るからオレは何も出来ない。


だってオレは……


「姉ちゃんからは、幸せしかもらってこなかったんだ……」


なのに、何も返して来なかった。


「ハァ……だから何でお前は直ぐそーやって自虐するかなぁ?」


「そーですよ、草月くん。そんなんじゃ優香さんだって浮かばれません! 」


そうだな、

桐野さんも……って。


「ハァ! ? 何時の間に⁈」


そう、そこに居たのは桐乃さんだった!

姉ちゃんの唯一の女友達で、

オレがいま此処にいるキッカケを与えてくれた人でもある。


「酷い……わたし、久遠寺くんと一緒にいました……」


全然気がつかなかった。

イズルも眼を丸くしてるし。


実は桐乃さんの能力か何かかもしれない。

……そんな、くだらない事を考えれるくらいには、心に余裕ができた。


「キリノ……それで、ユーカを助ける為にはどうしたら良いと思う?」


久遠寺は桐乃さんが居た事は最初から知っていた様なので、桐乃さんに意見を求めていた。


確かに、女性の意見は貴重だろう。

姉ちゃんの親友の。


「……そうですね」


桐乃さんは姉ちゃんを包む“闇”を眩しい物を見る様に眼を細めて言った。


「……先ずはお話し合いを始めるしかないじゃないですか? 」


ーー……それは、姉ちゃんと交渉すると言う事ですか?



久遠寺が言うにはその『お話し合い』はあながち間違った答えではないそうだ。


つまり、今“闇”が姉ちゃんを包んでいるのは未練があるからで、

その『お話し合い』で少しでも未練に触れれば何かキッカケが掴めるかもしれないとの事だった。


……姉ちゃんとの、生まれて初めての話し合いがこんな形になるとは思って居なかった。


「……姉ちゃん、良いかな? 」


当然、返事は無い。


「オレさ……ちっちゃい時から姉ちゃんの事見ててさ……なんか、今更言うのは恥ずかしいけどさ……大好きだよ。お姉ちゃん」


瞬間……

“闇”が疼いた。そう見えた。


「優香……僕も、草月と一緒だよ……初めて在ったのは半年くらい前かな?何だかあっと言う間だね……それでも、足りないよ。愛してる」


ーー“闇”は、確かに鼓動した。

そう思った瞬間


「優香……俺は、確かに自分の事を不甲斐ない父親だと思う……だけどな、此の世の内で、誰よりもお前の事を、想っている父親だ!」


そう、父さんが言った瞬間だった。

“闇”は、確かに崩れ落ちた。


わたしは主を待ち望みます、わが魂は待ち望みます。そのみ言葉によって、わたしは望みをいだきます。





パパェ…

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