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九節ノイチ

九節とつにゅう!

今節では兄弟を中心に書いて行きたいです


とある狭い空間で一人の少年が目覚めた、

時間は恐らく深夜だろう、

見覚えの在るステンドグラスから淡い光が差し込んでくる。


疑念のまま身を起こした少年は自らが何も……布切れ一枚すら身につけて居無い事を知り、慌てる。


そして気がついたのは自分が元々寝ていた木製の台のその足元のところに服の一式が置いてある事だ。


彼はその服の塊を手にとった、

もしかしたら自分に用意された物かもしれないが他人の物かもしれない。


そうは思った物の悩んだのは一瞬だった、

このまま一糸纏わぬ姿では過ごせぬと、

少年はその服を思いきりかぶって行った。


新しい服の独特の糊の匂いがする、

落ち着いた黒の色合いの服は少年の身体を包み込んだ。


そうしてようやく少年は落ち着く事ができた、

それに、服だけでは無く下着まで用意して在ったのだ。


いよいよ確信をもって自分の為に用意された物だと言えるだろう。


そして、そこまで行って少年は余りに今更な事を呟いた。


「……ここ、どこだよ……」


かつての勇者の発言のせいで利用者の少なくなった教会で、少年の声は虚しく木霊した。



「神父様……」


少女は彼女の住まう家の屋上にて静かに呟いた、

その空に見えるのはこの季節にしては珍しく一面の星空だった。


確かに、あまり大きな都会、と言える程の街では無い為、時間や場所を考えればこれ程の景色が見え無い訳では無い。


しかし、

今は、圧倒的に空気に淀みの大きい季節だ。


しかし、

その藍色の空には散りばめられた様に輝く星々が在った。


それは、それをただ一人見ている少女の能力に他ならない。


光、そして汚れの拒絶、

それに寄って少女の周りでは常に美しい星空が展開されて居た。


その隣では少女とは顔の似て居ないその弟が少女と同じ様に屋上で星を眺めていた。


「どうしたんだよ?当然」


その声はわずかに呆れが入って居る様にも聞こえるが、

それ以上に心配して居る様にも聞こえる。


「……なんでもありませんよ、草月」


少女……優香は弟の方に視線を向ける事無く答える、

それに弟……草月は不満そうな、

それでいて傷ついた様な顔になる。


「なぁ、オレ達……姉弟だよな?」


それは余りに当たり前な質問、

例え神で無くとも答えられる物であろう。


事実、優香はそんな草月の言葉にゆっくりと振り向きながら答えを示した。


「そうですよ……腹違いのね」


「ーーっえ?」


その瞬間に、

二人の間に流れるときは凍りついた。


優香はただ無表情で、秋の日の夜にみる井戸のそこのように暗い目をしていた。


対する草月は突然の暴露にたいして何を言われたか理解で来て居ないようだった。


「どういう……事だよ」


腹違い……この言葉の意味がわから無い程草月も幼く無かった。


しかし、言葉の意味がわかっても大好きな姉のいって居る事はまるで理解で来て居なかった。


否、しようとして居なかった。


「そのままの意味ですよ」


すっと、

静かな夜の空気の中で衣擦れの音が響く、

下……この和風の屋敷の中ではどうやら大騒ぎが起こって居るようだ。


その場に立ち上がり、

冷徹な無表情で弟を見る優香。


その目の、

余りの感情の無さにたじろぐ他無い草月。


また、二人の間に流れる時間は狭まって行った。


そして、

また突然、優香は言った、


ただ一言、

しかし、それは草月にとっては試験宣告にも等しい響きをもっていた。


「草月……サヨウナラ」



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