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七節ノイチ

七節に突入です!

七節では英雄たちから勇者の事を聞く……みたいにしたいですね。

「あ……大井川さん」


私は今も五十嵐の家の中に残っている多くの英雄たちの一人、大井川に声を掛けた。


今五十嵐の家に居ないのは宇津木と海江田のみだ、

そして私は目的の人物である大井川に接触した。


時間は夕方、

阿久津と円城寺は大学へ、

五十嵐と草月は近くの河原でトレーニングを行っている。


いま、この家には私と大井川しか居ない事になる……

そして、私は夕食の仕込みを終えた今に、大井川に話かけた。


「ん?なんだ、優香?」


円城寺の様に無感情ではなく、

かと言って五十嵐の様に暑く無い。


ちょうど良い温度加減の大井川には時々安心為せられる。


時々、

私が聖書を読み、教会へ通う事を最も良しとしない男がこいつだとしても……


「いえ、大した用事では無いのですが、手伝って頂きたい事が在って……」


嘘だ、

本当は全く手伝って欲しい事など無い、

ただ、こいつと話し、必要な情報を聞き出す為の口実に過ぎない。


ーーホントウに?ーー


「そうか、わかった、じゃあ俺は何をすれば良いんだ?」


うっすらと笑を浮かべて私になんの疑いも抱かず質問してくる大井川。


もしも……オトウサンが居たら、

こんな感じなのかな……?


「英語の……勉強を……」


憧れ……

羨望……


私は英語が苦手だ、

そして、そんな苦手な英語をヒトに聞くのも苦手だ。


だから、今まで私は一人で英語の宿題や勉強を行って来た、

成績は決して低い、と言う訳じゃ無い。


だけれど……

私には、憧れて居た。


もう決して許せない父親(チチオヤ)に、英語を……勉強を教えてもらいたかった。


だから、

あの時に……イズルに父親の様な影を見たのかもしれない、

神父様にも、求めて居たけれど重ねた事は無い……父親を。


そして、

私はそんな憧れを、、、

他人に押し付けた。



「ここは受動態を表す表現なんだ、だから「~で覆われて居る」の意味になるんだ」


私は、二階に在る、

私の為の部屋で大井川に英語を教えてもらって居た。


多分……

ここにヒトが入るのを許可したのは大井川が始めてかもしれない。


今まで、私が、私自身で埋めて来たこの殺風景な部屋、

そこに、大井川……英雄が入り込んだ。


それも、

今この勉強机に座る私の首元にこそばゆい吐息が当たる程近くに……


大井川がこの部屋に入った瞬間に言った言葉を思い出す。

「優しい香りがするな、優香の部屋だからか?」


ーーそんなに嬉しかったの?ーー


「おい、聞いてるのか?優香」


突然名前を呼ばれて我に帰った、

そうだった、

私は今は大井川に勉強を教えてもらって居るんだった……


、、、本当の目的を忘れてた……


「あ……大井川さん」


私は、本のついさっき言った言葉を再び声帯を震わせ発した。


再びの私の突然の呼びかけに眉の形を帰る大井川、

わかりやすい。


いま、何故呼ばれたのか不思議がって居る事が手に取るようにわかる。


そんなところが、一番英雄たちの中では可愛げがあるのだと思う。


「おぅ?なんだ?」


びっくりしたのか変な声を出した大井川さん、

英雄達の面はまだ私の知らない事がたくさんあるのかな……?


父親(オトウサン)義母(オカアサン)はいつ、知り合って結婚したんですか?」


ママは勇者(チチオヤ)の幼馴染だった……

小さな時にチチオヤがママの向かいの家に引っ越して来たらしい。


それは、

誰にも知られて居ない事だった。


ママとチチオヤは歳が近い事もあり、直ぐに仲良く成った、

ママは当時から通っていたあの教会へチチオヤを連れて行ったことも在るらしい。


そして、ママがチチオヤに対してはっきりとした恋心を芽生えさせたのが中学生の頃だった。


ママはチチオヤと幼馴染で……

仲が良くて、頭も良かった。


だけど、チチオヤの頭……

成績はあまり良く無い物で、三流……よくて二流の高校が精々だったらしい。


そこで、自分だったら一流の高校が目指せたと言うのにママは、チチオヤの通う高校に行くことに成った。


もちろん教職員から反対為れたらしい、

当時のチチオヤは勇者でもなんでも無く、まだ能力も覚醒して居ない様なバカな学生でしか無かった。


しかし……

そんな何処にでも居る少年はママにとっては唯一、かけがえのない想い人だった。


ママは周りの反対を押し切って、

チチオヤの行く学校、高校へ同じく進学した。


二流の高校のギリギリで通過したチチオヤと一流の高校へ行くのが当然と思われたママ……


そんな、淡い少女の初恋で終わるなら、そしてそれが結ばれる結果に成ったらどれだけ良かったのか……


神様は常にヒトに試練をお与えになる、

ママの前に現れた試練は転校生、

美琴……後のハハオヤだった。







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