第8話。……どういうことだ?
……ルナウが消えた。落とし穴に落ちて。
そしてその落とし穴はもうない。落とし穴の先は、いったいどこにつながっているのだろう?
愕然としたままルナウがいた場所を見続ける。なにが起きたのか分からなかったし――自分も、落ちたと思った。
そう、自分も落ちた。帰ろうとして壁に手をついた瞬間――足元が消えた。
「罠じゃ……なかったのか?」
それとも罠にかかって、自分もルナウのように助けられた?
だがルナウが言う『バーロン』さんもみんなも、誰もいない。自分に来たのは、何故か宝箱に化けたルナウだけだった。それとも、一人ずつやってくるのだろうか? 新人から順番に?
「……ッ、わっかんねぇ……!」
頭をわしゃわしゃとかき回す。
分かってるのは三つだけだ。
ここはダンジョンの中で、ルナウはメトラに頼まれて来た。そしてそのメトラが――このダンジョンの主。
「メトラは……最下層にいるボスなのか?
……って、うわ!」
突然ぐらぐらとダンジョンが揺れた。おもわず頭を押さえるが、揺れただけでなにかが落ちてくる様子もない。しばらく待ってみても、誰かが来る様子もない。ゴゴゴ……と揺れ出したりもしない。
ただの地震……なのか? 本当に?
「~~~ッ、もう! わけ分かんねぇよ!!」
頭が煮えたぎりそうになって、叫んだ。
考えるのは得意じゃない。村にいた頃からそうで、よくマーヤにもバカにされた。村を出てからは少しは考えるようになったけど、それでも目の前のことをやっていけばだいたいなんとかなったんだ。
こんな、ダンジョンの落とし穴に落ちるなんてこと……
「…………ッ!!」
涙がにじみ、慌てて拭った。どんどん出てくるから、顔を洗った。頭ごと水に入れたら、少し頭が冷えた。
「……こんな時は素振りするしかないな」
暇だし、じっとしてたら色々考えてしまう。それなら体を疲れるまで動かしてぶっ倒れた方がいい。
残ったメシを食い、立ち上がる。
ルナウが入ってきた辺りに近寄り――もう裂け目はない――、ルナウに蹴り飛ばされた剣を拾う。
ふぅと息を吐いた後、しんどくなるまで素振りをした。
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