二人だけの秘密の買い出し? 看板娘と市場デート(仮)
依存度が限界突破したヒロインたち。
今回は、なんでも屋の備品が切れたことをきっかけに、リアナさんと二人きりで市場へ向かいます。
他の二人にバレたら……修羅場確定です。
「……あの、カイくん。今日の夕方、ちょっと空いてるかしら?」
営業終了間際。リアナが周囲をキョロキョロと見渡しながら、こっそりと俺に耳打ちしてきた。
アイリスやセレスティーヌがいない、わずかな隙を突いた接触だ。
「空いてますけど……どうしたんですか、そんなに隠れて」
「なんでも屋の備品が切れてるって言ってたじゃない? だから、私と一緒に市場へ買い出しに行かないかなって。……二人きりで」
彼女の頬が、夕焼けよりも赤く染まっている。
ギルドの受付に座りっぱなしの彼女にとって、俺との外出は「仕事」の名目を借りた「デート」そのものなのだろう。
「いいですよ。ちょうど重い荷物を運ぶ手伝いが欲しかったんです」
「本当!? やったぁ……あ、コホン。……あくまで『備品調達の協力』だからね?」
そう言って、彼女は俺の腕に自分の腕を絡めてきた。
昨日までの「お疲れモード」はどこへやら、今の彼女は恋する乙女そのものだ。
市場へ着くと、リアナはいつになく積極的だった。
「あ、カイくん! あっちに良い布があるわよ。マッサージの時に使うんでしょ?」
「こっちの果物はどう? ほら、あーんしてみて……甘いかな?」
周囲の商売人たちが、俺たちの姿を見てヒソヒソと話し始める。
「おい、あれってギルドのリアナ様じゃないか?」
「隣にいるのは……例の『八百屋の箱』の男か。マジで付き合ってるのかよ……」
噂は一瞬で広まりそうだが、今のリアナには届いていないらしい。
彼女は俺の腕をさらに強く抱きしめ、幸せそうに微笑んでいる。
「……ねえ、カイくん。こうしてると、なんだか普通のカップルみたいね」
「リアナさん……」
「私、ギルドの仕事も好きだけど。……こうしてカイくんの隣にいる時が、一番『自分らしく』いられる気がするの。……これからも、私のこと、癒やしてくれる?」
上目遣いで見つめられ、俺は生返事をするのが精一杯だった。
現代の知識で始まった関係だが、彼女の想いは、もはや「技術」への信頼を超えて、俺自身に向けられている。
――だが、幸せな時間は長くは続かない。
「……主。リアナ。……こんなところで、仲睦まじく何をしているのだ?」
路地の角から、氷点下の声が響いた。
そこには、買い物袋を提げたセレスティーヌ王女が、般若のような形相で立ち尽くしていた。
その背後には、同じく殺気を隠そうともしないアイリスの姿まである。
「「「………………っ!!」」」
俺の背中に、冷や汗が流れた。
どうやら、楽しいお出かけはここで強制終了のようだ。
リアナさんとの秘密の買い出しが、速攻でバレました!
嫉妬に燃える王女と女騎士。
カイの安否(と八百屋の箱の運命)はどうなるのか……。
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