救世主は歩いてはいけない? 三美姫による「至れり尽くせり」な朝
お疲れ様です、第51話です!
英雄となったカイを待っていたのは、王様以上の「過剰な接待」でした。
何もさせない、どこにも行かせない。
ヒロインたちの愛が、ついに「カイくんをダメにする」方向に舵を切ります!
「……おはよう、カイくん。まだ起きなくていいのよ?」
翌朝。目が覚めた俺を待っていたのは、三方向から注がれる熱っぽい視線だった。
少し身体を動かそうとしただけで、左右を固めていたリアナとアイリスが、反射的に俺を布団の中に引き戻す。
「いや、もう朝だし、顔を洗いに――」
「ダメ。主、今日は指一本動かす必要はない。……顔なら、私がこの温かい布で丁寧に拭いてやる」
「カイくん、お口開けて? スープ持ってきたの。はい、あーん」
アイリスが恭しく俺の顔を拭い、リアナがスプーンを差し出してくる。
さらに、足元ではセレスティーヌが俺の足を膝に乗せ、何やら高級そうなオイルを塗り込んでいた。
「主。……昨日は一日中立ちっぱなしだったのだろう? 私がこの足の指一本一本体念に解いて、二度と疲れを感じぬようにしてやるからな」
……王様でもここまでされないだろう。
俺が何かをしようとするたびに、三人がかりで「それは私がやる!」「いいえ私よ!」と奪い合いになり、結局俺はベッドの上でされるがままになるしかない。
「……あの、流石に自分でお手洗いには行けますから」
「「「抱えて連れて行くわ(いく/ぬぞ)!!」」」
……本気だった。
彼女たちの瞳には、救世主としての俺への崇拝と、それ以上に「弱っている今のうちに自分に依存させたい」という、恐ろしいほどの甘い野心が宿っている。
現代の知識で彼女たちを癒やしてきたはずの俺だが、今や彼女たちの手厚すぎる介護(?)によって、自力で生活する能力を奪われそうになっていた。
なんでも屋、救国と引き換えに、自立の危機である。
三人がかりの「あーん」と足ツボ。
カイを全力で甘やかし、自分たちなしでは生きられないようにする……ヒロインたちの高度な戦略(?)が光ります。
「カイ、もう抵抗するな」「三人の奉仕がどんどんエスカレートしてる!」
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