叙勲式は正妻決定戦? 英雄の隣を巡る「公開」マウント合戦
お疲れ様です、第52話です!
ついに街を救ったカイへの公式な叙勲式が始まります。
しかし、厳かなはずの式典は、ヒロインたちの「正妻アピール」の場と化し……。
衆人環視の中で繰り広げられる、三美姫の意地の張り合いをお楽しみください!
「……これより、街を救いし英雄、カイ殿への叙勲式を執り行う!」
中央広場を埋め尽くすほどの群衆。その壇上で、ギルド長ガランが声を張り上げた。
俺は、三人のヒロインによって磨き上げられた最高級の礼装に身を包み、眩しい日差しの中で立っていた。
本来なら、栄誉に満ちた静かな儀式になるはずだった。……だが、俺の両隣と背後が、それを許さなかった。
「カイくん、緊張してない? ほら、私が手を握ってあげてるから大丈夫よ」
リアナが、ギルドの看板娘としての最高の笑顔(目は笑っていない)で、俺の右腕に自分の胸を押し当てるように密着してきた。
「主。……式典の警護は私が担当している。……だが、一歩下がって見守るなど性に合わん。英雄の隣には、盾たる私が相応しいはずだ」
アイリスが、あろうことか『護衛』の名目で俺の左側を死守し、鎧の金属音をこれ見よがしに鳴らしている。
「……フン。二人とも、見苦しいぞ。主。……勲章を授けるのは領主たる我が父だが、その隣で主を支えるのは、婚約者である私だ」
セレスティーヌが俺の背中にぴったりと張り付き、領主である父親にさえ「近寄るな」と言わんばかりの威圧感を放っていた。
広場に集まった何千人もの住人たちは、英雄の凛々しい姿よりも、その周りで繰り広げられる「最強の正妻争い」に釘付けになっていた。
「おい、見ろよ……聖女様があんなにベッタリだぞ」
「騎士団長なんて、もう公私混同だろあれ……」
ガランが「……コホン! えー、では勲章を……」と話を進めようとしても、三人は「私の方がカイくんの疲れを知っている」「いいえ、私の指圧の方が深い」と、小声で激しいマウントを取り合っている。
結局、俺は三人の美女に左右と後ろを完全に固められたまま、身動き一つ取れずに勲章を授与されることになった。
救国の英雄。その栄誉は、今日この日をもって「三人の独占物」であると、国中に公言されてしまったのと同義だった。
叙勲式という名の、公開マウント合戦!
三人のヒロインにとって、カイの隣は誰にも譲れない「特等席」なのです。
「ガランさんの苦労が目に浮かぶ……」「三人のアピールが凄すぎて勲章が目立たない!」
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