三人寄れば修羅場。八百屋の箱を巡る「癒やされ」権争奪戦
三人のヒロインが揃い、カイの「なんでも屋」はかつてない賑わいを見せています。
ですが、彼女たちが同じ場所に集まれば、当然こうなるわけで……。
八百屋の箱を巡る、乙女たちの戦いが始まります。
四日目。
俺の『なんでも屋』は、開店前から異常な熱気に包まれていた。
「……遅いわね。主、少しばかり寝坊が過ぎるのではないか?」
「あらセレス、あなたは公務があるのでしょう? 無理をせず、私に順番を譲ってくれてもいいのよ?」
「……二人とも、私を無視するな。今日の私の筋肉は、昨日よりも酷い状態なのだ。優先順位というものがあるだろう」
路地裏に入ろうとした俺の目に飛び込んできたのは、世界を揺るがす三人の美女が、一つの八百屋の空き箱を囲んで火花を散らしている光景だった。
銀髪を揺らして不機嫌そうに腕を組む王女セレスティーヌ。
いつも以上に気合の入った笑顔(目が笑っていない)の看板娘リアナ。
そして、仁王立ちで威圧感を放つ女騎士団長アイリス。
「……おはようございます。……あの、そこ、俺の店なんですけど」
俺が声をかけると、三人の視線が一斉に俺に突き刺さった。
「「「カイ(くん/主)!!」」」
三人同時に詰め寄られ、俺は思わず一歩引く。
昨日の今日で、これほどまでに『依存』が進んでいるとは。
「カイくん、今日は私からよね? ほら、肩がこんなに凝っちゃって……触って確認してくれる?」
「待て! 私の方が先に来ていた! 主、今日の私は機嫌が悪いのだ。あの『しおきゃらめる』とやらを、口に放り込んでくれないと暴れるぞ!」
「主よ、私は今日こそ不敬罪の疑いを晴らさねばならん。そのためには、あの脚の指圧をもう一度……っ」
三者三様の「やってほしいこと」をぶつけられ、路地裏の野次馬たちはもはや石のように固まっている。
そりゃそうだ。国を代表する淑女たちが、ゴミ同然の箱の上で男に触られたがっているのだから。
「……はいはい。順番です。箱は一つ、俺の手も二つしかないんでね」
「だったら……」
リアナが俺の右腕を抱え込み、その柔らかな感触が腕に伝わる。
「私がここで、カイくんの腕をマッサージしてあげるわ。その代わり、次は一番にやってね?」
「不公平だ! だったら私は左だ!」
セレスティーヌが反対側の腕を掴み、潤んだ瞳で俺を見上げる。
「なっ……! 貴様ら、卑怯だぞ! ならば私は、主の背中を守る(密着する)!」
アイリスまでが俺の背中にぴたりと張り付き、鎧の硬さと彼女自身の熱量が伝わってきた。
「……あの、暑苦しいんですけど」
「「「我慢しなさい(なさい/しろ)!!」」」
結局その日は、三人が交互に箱に座り、残る二人が「もっとそこを強く!」「次は私よ!」と口を出し合うという、賑やかすぎる営業になった。
だが、俺は見てしまった。
施術を受けてとろけているライバルの姿を見て、他の二人が「……次は、私もあんな声を出してやるんだから」と、なぜか対抗心を燃やして頬を赤らめているのを。
どうやら俺の『なんでも屋』は、とんでもない方向に転がり始めたらしい。
【後書き】
ついに三人が鉢合わせ!
彼女たちの「競い合い」は、これからさらにヒートアップしていきます。
「三人とも可愛い!」「カイが羨ましすぎる!」と思ってくださった皆様、
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皆様の応援が、彼女たちのデレを加速させます。




