一夜明けたら国中の有名人? 婚約者(仮)宣言の余波は止まらない
お疲れ様です、金曜日です!
昨日の衝撃の宣言から一夜。
街中がカイの話題でもちきりになり、事態はもはや収拾不能に……。
「逃げられない」状況に追い込まれたカイの、さらなる受難が始まります!
「……主。起きろ。……大変なことになっているぞ」
金曜日の早朝。俺がボロ屋の玄関を開けるより早く、アイリスが血相を変えて飛び込んできた。
その後ろには、既に一仕事を終えたかのように疲れ切ったリアナと、優雅に茶を啜りつつも目が据わっているセレスティーヌの姿がある。
「……おはようございます。大変なことって、昨日のあの『婚約者宣言』のことですか?」
「それ以外に何があるというのだ! 見ろ、今朝の各ギルドや詰所の掲示板を。……主の名前と、我ら三人の名前がデカデカと並んで載っている!」
アイリスが叩きつけた号外には、『路地裏のなんでも屋、三美姫を同時に射止める?』という衝撃的な見出しが踊っていた。
昨日の今日で、噂は尾ひれがついて国中に広まってしまったらしい。
「カイくん、ギルドの前にはもう、記者の冒険者や野次馬が何百人も集まってるわよ。……みんな『どうやってあの三人を落としたのか教えろ!』って殺気立ってるわ」
「……フン。不敬な輩どもだ。主。……こうなれば、もう引き返せぬぞ。……昨日言ったことは、もはや『公式』だ。お父様……領主も、主を城へ呼ぶと息巻いている」
セレスティーヌが淡々と、しかし逃げ場を塞ぐように告げる。
王女、騎士団長、聖女。三人の共同婚約者候補(仮)。
路地裏で細々とマッサージをしていたはずの俺の立場は、一夜にして「全男性の敵」であり「国の最重要人物」へと変貌してしまった。
「……あの、俺、今日もお悩み相談の営業を……」
「「「できるわけないでしょ(ないだろう/ぬぞ)!!」」」
三人の声が重なる。
路地裏の要塞化はさらに進み、もはやそこは「なんでも屋」という名の、世界で最も甘く、そして最も厳重な『監禁所』になりつつあった。
俺は八百屋の箱を抱え、今日から始まる激動の「婚約者ライフ(仮)」に、深い溜め息をつくしかなかった。
ついに「公式」の噂として広まってしまった三人との関係。
ここからカイを取り巻く環境は、路地裏から王宮やギルドの中枢へと広がっていきます。
「アイリスさんの焦りっぷりが最高」「セレス様、既成事実化が早い!」
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