美肌の秘密は路地裏に? 社交界を揺るがす「箱の男」の噂
お疲れ様です、週の真ん中水曜日ですね!
「美肌クリーム」の効果が凄すぎて、ついに貴族社会に見つかってしまったカイ。
カイの指先を狙う貴婦人たちと、それを絶対に許さないヒロインたち。
なんでも屋を取り巻く状況が、いよいよ国家規模に拡大していきます!
「……カイくん、本当に大変なことになっちゃったわよ」
水曜日の昼下がり。ギルドの昼休み返上で駆け込んできたリアナが、震える手で一通の豪華な書状を俺に見せてきた。
金色の縁取りに、見たこともない複雑な家紋。
「これ、この街で一番影響力のある侯爵夫人からの招待状(呼び出し)よ。……なんでも、リアナたちの肌が急に輝き出した理由を教えなさい、って」
案の定だった。
前回のスキンケアクリームの効果は絶大で、三人のヒロインが街を歩くたびに、その異常なまでの「肌の美しさ」が注目の的になっていたのだ。
「主。……私の方にも、騎士団のスポンサーである貴族たちから問い合わせが殺到している。主の『術』と『薬』を独占させろとな」
アイリスが苛立たしげに剣の柄を叩く。
「……フン。不届き千万だな。主の指先を社交界の肥えた女たちに貸し出すなど、この私が許さぬ」
セレスティーヌが冷徹に切り捨てるが、その瞳には焦りの色がある。
これまでは「路地裏の秘密」として独占できていたカイが、ついに「国家レベルの宝」として狙われ始めたのだ。
「……あの、俺、ただのなんでも屋なんですけど。貴族の相手なんて無理ですよ」
「そうよ! カイくんは私たちの癒やしなんだから!」
リアナが俺を隠すように背後に回る。
だが、路地の入り口には、既に豪華な馬車が何台も停まり、身分の高そうな執事たちが「店主への面会」を求めて行列を作り始めていた。
「……仕方ないわね。アイリス、セレス。これからは『外敵』が格段に強くなるわよ」
「承知している。……路地裏の防衛線をさらに強化する。許可なく主に近づく者は、爵位があろうと私が斬る」
「私も、父(領主)に手を回して、この区画一帯を立ち入り禁止区域に指定させよう」
なんでも屋を巡る戦いは、ついに路地裏を飛び出し、国を揺るがす「利権」の争奪戦へと発展しようとしていた。
当の俺は、八百屋の箱の上で、増え続ける一方の行列を眺めて溜め息をつくしかなかった。
庶民の聖域だった「八百屋の箱」に、ついに貴族の魔の手が……!
ヒロインたちの独占欲が「国家権力」を動かし始めました。
「執事の行列、シュールすぎる」「アイリスさんの騎士団、仕事して!」
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三人の「カイくん防衛線」がさらに鉄壁になっていきます!
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