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間違って投稿していました

第59話からお読みください

18時台以降に新着を読まれた方

22時台からは正常です

「さぁて始まりました。いつもは闇から闇へと渡り歩くかの有名な第十三暗殺部隊のヘルネッティ!十三なんて不吉な数字の部隊だとますます恐ろしいですね。レイピアを抜いていない第三特務部隊の子ども隊長!こちらも考えれば謎に包まれていますね」


戦いの合図の鐘が鳴ったが両者は動かないで向き合ったままだ。


予選ではあるが強者同士の戦いとなれば簡単に動けない。


「ひとつ聞いておきたいことがあるんだ」


「何かしら?」


「棄権するつもりはない?」


「面白い冗談ね。残念ながらないわ」


「そう」


音もなく跳躍するとヘルネッティの首にレイピアを叩き付けた。


視認していないが気配だけでヘルネッティは体をずらした。


それでも間に合わずに首を掠めた。


「さすがね」


「浅かったか」


首には赤い線が走り、うっすらと血が滲んでいた。


これが抜き身だったら頸動脈を確実に切っていた。


「容赦ないわね」


「容赦?してるさ。本気なら今頃、君は死んでる」


「今は本気じゃないってことね」


強がりで返したが首の傷がヘルネッティから余裕を奪っていた。


レイピアが鞘に入っていたから助かっただけというのは嫌でも分かり、そして大きな怪我にならないと分かっているから首を狙ったと気づいた。


「次はこちらから行かせてもらうわ」


「ワイヤーか」


「知っていたのね」


ブレスレットからワイヤーを出して鞭よりもしなやかに扱って隊長に攻撃する。


目で確認するには難しいくらいの細さに速度が加算されると触れるだけで皮膚が裂けた。


扱う本人は守るために手袋をしている。


「間合いを見切るのは難しいな」


「棄権するなら今のうちよ」


「そうだな」


腕の動かし方からワイヤーの動きを予測するが避けるのは難しく毛先を何度か切られていた。


「見切るのは難しいが凡そなら問題ない」


「なっ!」


レイピアを何もない空間でやみくもに振るったように見えたが目的があってのことだ。


ヘルネッティが驚いたようにワイヤーをレイピアに絡みつかせて動きを止めた。


「どうして!私のワイヤーは鉄板だって切り裂くのよ」


「力の入れ方で可能としているなら切れないようにする方法もある」


「ワイヤーを使ったことあるの?」


「初めてだ」


会話をしながらも引っ張り合い、力は拮抗しているように見えた。


ヘルネッティは両手で引っ張っているのに対して隊長は片手で引っ張っている。


「確かにワイヤーは私の得意武器よ。でもね、これでも隊長なのよ」


「ちっ」


左手のワイヤーを放して均衡が崩れたところで手首に隠し持っていた小型小銃で隊長を撃った。


距離が遠かったことと口径が小さかったのが影響して隊長の右頬を掠めたに留まった。


「よく避けたわね」


「これだけ距離があれば問題ない」


「的が小さいと困りものね」


「女には手を上げないのが信条なんだけどな」


「その割には首を狙ったわよね」


レイピアに絡まったワイヤーで手を切らないように解く。


ワイヤーで攻撃しても受けられると分かっているからヘルネッティも黙って見守る。


「本当は痣も残さずに気を失わせるつもりだった。それを避けるから怪我をさせてしまった」


「私が悪いみたいに言わないでちょうだい」


「君に三割の力では避けられて無駄に怪我させることが分かったから次は五割の力で相手をするよ」


「そう、心して迎え撃つわ」


隊長はわずかに微笑んで音もなく移動した。


「残像!?」


視界ではなく音や気配で隊長を探すと右や左と様々な方向から踏み込む音が聞こえた。


その音がするたびに体を向けるが目では追い切れなかった。


「おやすみ」


「しまっ」


後ろから声が聞こえたときには衝撃を感じることもなく気を失っていた。


体を打ち付ける前に隊長が支えて石板への激突は避けられた。


「勝者、子ども隊長!いやぁ銃弾が掠めたときは危ないと思いましたが最後は勝ちましたね」


観客は隊長の姿が見えなくなったと思えばヘルネッティが倒れたことで戦いをいまいち理解していなかった。


思いのほか時間がかかって後の試合が支えていたからヘルネッティも担架に乗せられて早々に運び出された。


隊長がレイピアをいつ抜くのかという賭けが始まりつつあった。


「お疲れ様です」


「隊長、こっち向いてください」


「いてっ」


「避けられたのに、わざと受けるから」


「仕方ないだろう。彼女に傷を作ってしまったのだから」


隊長の頬の傷が罪滅ぼしのためと気づいているのはヴィヴィとユーリーンとフィアットだけだ。


戦っていたヘルネッティですら気づいていない。


また気づかせないように戦ったというのも原因のひとつではあった。


「下手に手加減するからですよ」


「女性に本気を出せるわけないだろう」


「それで怪我したら意味ないですよ」


「小言はもういい」


まだ言い足りなさそうなヴィヴィも仕方なく黙った。


空気に耐えかねて謝罪をしようとした隊長の背後で爆発音が響いた。


土煙が上がる中、一人の男が笑った。


「・・・朱雀、か」


対戦相手は全身に火傷を負い、戦える状態じゃなくなり担架で運び出された。


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