九十八章 禁忌、咲く
アージヴァイズは剣技を覚えようと一人で鍛錬し始めた。
(力が欲しい・・・)
アージヴァイズは木刀を振った。
(私だけの力が!!)
アージヴァイズは木刀を力強く振った。
(誰よりも強い私だけの力が欲しい!!)
アージヴァイズは木刀をもっと強く振った。
それからアージヴァイズは陽に弟子をやめると言って一人で訓練を行った。
しかし、陽は翌日もそのまた翌日もアージヴァイズの所に来て指導を続けた。
だが、アージヴァイズは全く言うことを聞こうとしなかった。
同年、四月十七日。
一人で剣技を覚えようと奮闘するアージヴァイズがついに剣技を発動した。
上位組織員たちはアージヴァイズの才能に驚き、多くの者が話しかけた。
この六日間人と一切話さなかったアージヴァイズは話しかけられたことに喜びを感じて高揚し、陽に自慢をした。
「どうだ!お前の教え方が悪いから剣技が使えなかったんだ!」
アージヴァイズは呆然とする陽を見て笑みながらそう吐き捨てる。
「・・・どうしよう・・・」
目を見開いた陽はアージヴァイズを見て冷や汗を垂らしながらそう呟いた。
「寺島?大丈夫か?」
上位組織員は心配そうに声をかける。
「だ、大丈夫・・・大丈夫だ」
陽はアージヴァイズに近づいた。
「な・・・なんだよ」
アージヴァイズは陽を見て冷や汗をかく。
「僕がどうにかする。だから、今は僕の言うことを聞いてくれ」
冷や汗を垂らす陽はアージヴァイズを真っすぐ見つめる。
「何でお前の言うことを聞かなきゃいけないんだよ!!」
冷や汗をかいたアージヴァイズは陽を見て怒鳴った。
「お前のその剣技が禁忌の剣技だからだ!!」
陽はアージヴァイズの両肩を掴んで呟く。
「き、禁忌?」
アージヴァイズの背中に戦慄が走る。
「君は表面上で良いからとにかく反省した態度をとって。そうしたら、命まではとられないし、幹部方に激しく問い詰められることもない」
陽はアージヴァイズから手を離した。




