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九十九章 決断

同年、四月十八日。

ローラから連絡を受けた梨々香が神軍拠点艦一番艦イクイノックスの食堂で待っていた。

「梨々香お兄ちゃん。こんな時間に食堂に来るなんて珍しいね。誰かと待ち合わせ?」

ヴェルベサは梨々香に話しかける。

「うん、ローラから連絡を受けてね」

梨々香はヴェルベサを見て笑む。

「ローラ・・・そっか」

ヴェルベサは笑みながらそう言うと、少し離れた机の席に座った。

「陛下、お待たせしました」

ローラは少し早歩きで梨々香に向かう。

「大丈夫だよ」

梨々香はローラを見て笑む。

「本日は報告が二つあります」

ローラは梨々香を見つめる。

「聴こう」

「一つ、アージヴァイズ・ベルコント・ニコルという下位組織員が太陰剣技を使っているようです」

「・・・そうか・・・」

梨々香は天を仰いで言葉を絞り出す。

「神軍ができる最大の処罰は追放だ。だが、承知の通り、太陰の愚者を追放するのは悪手中の悪手だ。残酷だが、拡散を防ぐように動いてくれ」

梨々香はローラに命令した。

「わかりました」

「もう一つは?」

「寺島 陽上位組織員の処分についてです。彼女はアージヴァイズ・ベルコント・ニコルの師匠だと言っています。そのため、太陰剣技を発現させた責任があると」

「随分と弟子思いな師匠だ・・・何とかしてあげたいという気持ちは伝わってくるよ」

梨々香は唸るように呟く。

「だが、太陰剣技は個人の意思によって発現する。よって、責任を誰かが肩代わりできるものではない」

「・・・わかりました」

ローラは決断を受け入れてお辞儀する。

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