九十章 東和連合が壊滅した日
同年、一月三十日。
橘 ひよりがレミリアに呼ばれて世界唯一の永世中立国にして世界経済の中心地であるディールズ貴国に来ていた。
「・・・た、高い・・・」
ひよりはビルを見上げる。
「ぜ、全部ディールズリズだ・・・」
ひよりは売り物を見て怯える。
「橘殿、こっちです」
レミリアはひよりを呼ぶ。
「フィトナーゼ・・・女皇」
ひよりは不服そうにレミリアを見ると近づいた。
「何の御用で?」
ひよりはレミリアに問う。
「東和連合脱退の手続きをするために呼びました。形骸化させるとあなたたちが滅んだ時に面倒ですから」
「・・・は?」
優しい笑みを浮かべながら発せられた言葉にひよりは唖然とする。
「行き先は国際裁判所です。さぁ、行きましょう」
「何言ってるの?そんな用事なら行かないわ」
ひよりは鼻で笑って去ろうとした。
「来庁手続きはもう済ませてあるので、来ないと大変なことになりますよ?」
レミリアの言葉にひよりが足を止めた。
「・・・」
ひよりは冷や汗をかきながらレミリアを見る。
ひよりは渋々国際裁判所に行った。
国際裁判所に来たひよりは借りてきた猫のように大人しい。
「レムフィト国が東和連合から脱退するっていうことでよろしいですねー?」
気だるそうな職員は書類を素早く用意する。
「はい」
レミリアは職員を見て笑む。
「そ、その・・・応じないとダメですか?」
冷や汗をかいたひよりは職員に訊ねる。
「残ってほしい理由が戦争絡みなら応じてもらわないとですねー」
気だるそうな職員はそう答える。
「・・・応じないとどうなるんですか?」
「東和連合の場合ですとー」
気だるそうな職員はファイルにまとめられた素早く書類を捲る。
「為替取引停止ですねー。簡単に言うと、橘花国リズがただの紙切れになりまーす」
気だるそうな職員はひよりを見る。
「な・・・何とかなりません?」
冷や汗を垂らすひよりは職員を見て笑む。
「なりませーん」
「・・・」
冷や汗を垂らすひよりはペンと書類に向き合った。
こうして、レムフィトは正式に東和連合から脱退した。
そして、帰り際にレミリアはひよりに脅しをかけた。
「変なちょっかいかけないでくださいね?」
そう発するレミリアをひよりが黙って睨む。
「変なちょっかいをかけると、私たちが持ってるディールズ貴国発行、大陸東部土地権利証を使ってうっかり土地代を請求してしまうかも知れませんからね?」
「・・・」
ひよりは目を見開き、冷や汗を垂らした。
「では、お疲れ様でした~」
レミリアは会釈して去っていった。




