八十一章 落陽淵崩、降る金陽
一方、ミッケたちはリアンロゼスティと激闘を繰り広げていた。
「格納庫!格納庫だけは!!」
クリスティーナは懇願するように叫ぶ。
しかし、振り回される闇は容赦なく格納庫を破壊した。
「あぁぁぁぁ!!!!」
クリスティーナたちは悲鳴を上げた。
「・・・」
カスミが大業物陽烙白蛇を握りこんだ瞬間、刀身が炎を宿した。
カスミが放った斬撃は一閃と共にリアンロゼスティの胴を切り離した。
「これがお前の斬撃か・・・!カスミ・ローゼ・カーリン!!」
地面に大量の液状闇が広がる中、リアンロゼスティは目を見開いて大笑いする。
それは迫る死に恐怖しているようで、何かに思いを馳せているかのようでもあった。
「・・・」
リアンロゼスティの笑い声が響く中、大業物陽烙白蛇を握り込んだカスミは空に広がる雲を見つめる。
地面に広がった液状闇から闇を纏う朽ちた兵士、闇化生物・敗残兵が現れる。
「ヒュオエェェェェェェェェ」
闇化生物・敗残兵たちはどこかから空気が漏れているような奇妙な不気味な悲鳴を上げながらカスミに飛びかかる。
「落陽、降れ」
闇化生物・敗残兵たちがカスミに剣を振り下ろそうとしたその瞬間、雲が黄金色に染まった。
闇化生物・敗残兵を包む闇が蒸発して激しい炎に包まれていく。
「そうか・・・終に来なかったか・・・」
リアンロゼスティは黄金色に染まった雲を見ながらそう呟くと再び大笑いし始めた。
その時、雲を打ち破って巨大な黄金の火球が現れた。
巨大な黄金の火球は地上に降る。
巨大な黄金の火球が地上に近づいて地上が黄金色に照らされ始めると、力なく地面に転がっていた闇化生物・敗残兵たちが淡い橙色の水晶、聖陽水晶に変わった。
「師匠・・・私はどんな顔をすればいいんでしょうか・・・」
カスミはリヴァを見つめる。
「いぃやぁぁぁぁァァァァ!!!!」
大笑いしていたリアンロゼスティは悲鳴を上げながら聖陽水晶になった。
巨大な黄金の火球は地面に激突する前に細かな光となって消滅した。
「・・・倒した・・・」
エコー・ゼレヴィアンは浮遊するリヴァを見つめる。
「・・・」
リヴァはカスミとミッケを見ると、舞うように上昇していった。
「ご苦労様でした」
アージヴァイズ・レプシデシアを連れた梨々香はエコーたちを見て笑む。
「・・・」
カスミは梨々香にお辞儀をした。
「あいつ・・・サトリじゃないよな・・・」
眉を顰めたアージヴァイズ・レプシデシアは梨々香を見る。
「えぇ、サトリではありませんね」
梨々香は聖陽水晶を見つめる。
「・・・」
アージヴァイズたちは眉を顰めて顔を見合わせた。
「私が出した条件を覚えていますか?」
「あぁ・・・えっと・・・」
アージヴァイズは焦りながら必死に思い出そうとする。
「私たちがサトリを負傷させることができたら・・・」
ミッケはそう答えた。
「運がよかったですね。どうやら、サトリはこの子と繋がっていたらしい」
梨々香はアージヴァイズたちを見て笑む。
一方。
「・・・」
サトリは両腕に走る刀傷を見ながら冷や汗を垂らす。
「運が悪い子だね。いや・・・逆に、運が良いのかも」
硬く冷たい小鳥のような女性の声を聴いたサトリは全身を震わせる。
「殺そうと思ってここまで来たけど気が変わった。もう少しだけ生かしてあげるよ」
花と照準器が合わさったような文様が浮かんだような青い瞳がサトリを見つめる。




