六十九章 チダリア調査
同年、一月十四日。
エリーは調査のためチダリア国フォッテロイント町に来ていた。
「・・・極限夜光・・・まるで何かに反応しているかのように起きている・・・一体誰が起こしているんだ・・・」
エリーは薄黄色の結晶に触れる。
結晶から指を離したエリーは振り向いて家の中を見た。
生活感の残るリビング。テーブルには、冷え切ったスープと蒸かし芋が主を失ったまま放置されている。
「・・・リベードリヒは梨々香と一緒にいたはず・・・となると・・・リベードリヒと同じような力を持つ者が・・・」
エリーは思考を巡らせる。
「・・・お前・・・この前の・・・」
アージヴァイズはエリーを見つめる。
「・・・どうしてこんな所に居るの?こんな神気濃度が濃い場所に!」
エリーはアージヴァイズを見て驚く。
「そ、その声・・・お前!エリーか!?」
アージヴァイズたちは驚きながらエリーに駆け寄る。
「チダリアで起きた異変について調査してるの。エリーは何してたの?」
オレンジはエリーにそう説明する。
「私も調査だよ。大した収穫はないけど・・・」
エリーがそう言った瞬間、オレンジとエコーとミッケが突如気を失った。
「お、おい!!」
アージヴァイズは焦りながら声を上げる。
「?」
オレンジたちに駆け寄ろうとしたアージヴァイズは何か異常を感じ取る。
「なんだ?なんなんだよ・・・!!」
それはノイズのようで、壊れたテレビから出る少女の声にも聞こえる。
アージヴァイズが発狂しながらうずくまったその時、薄黄色だった結晶の内部に宇宙が広がった。
その直後、音もなく夜色の光がフォッテロイント町を包んだ。
「これが何なのか考える前に動くしかない!!」
髪と服が靡くエリーは銀色の龍翼を生やして広げた。
「・・・」
髪と服が靡くアージヴァイズはギラつく目で夜色の光を見つめる。
窓から外に飛び出したエリーは夜色の光柱に向かって飛ぶ。
「神技!銀氷光波!!」
銀色の龍翼を広げたエリーがそう叫ぶと空中に六華が現れた。
六華は銀色に染まると同時に冷凍光線を放つ。
冷凍光線は真っすぐ夜色の光柱に直撃する。
しかし、その光が弱まることはない。
夜色の光柱は徐々に姿を現し始め、宇宙を閉じ込めたような杭になった。
「何とか・・・止めないと・・・」
エリーが光線の出力をさらに上げると、腕の龍麟が割れて飛び散り始めた。
「全く・・・生存者を残してそんな無駄なことをするなんて・・・」
銀色の冷玉を呆れたように見たゆかりは地下室に続く昇降口を開けるとアージヴァイズたちを放り込んだ。
地下室に飛び込んだゆかりが昇降口の扉を閉めたその瞬間、杭が落ちて凄まじい衝撃波がフォッテロイント町を飲み込んだ。




