六十八章 散らばった神核
レムフィト基地へ戻った月浜打撃軍は会議室に行って話を始めた。
「暗い複雑色の靄が確認された直後、炎柱が上がった」
カエデは写真を机の上に置いた。
「暗い靄・・・」
ローランは困惑しながら写真を見つめる。
「そう表現するしかない異質な物だよ。現在確認できる文献にはそんな現象は載っていなかった。極稀な異常事態だと考えて良いと思う」
カエデはローランを見る。
「炎柱に関して何かわかってることは?」
ジュリアはカエデに問う。
「まだ何も」
カエデは簡潔にそう答えた。
「神軍の関与は確定として、何が目的なんだろう」
レイチェルは少し考える。
「確かに、神軍幹部第四位はうちたちを殺そうとしなかったにゃ。この時点で、人を滅ぼすことが目標だとは考えられない」
ミッケはレイチェルを見る。
「裏で何か起きてるなら、かなり深刻だと思う」
カエデは写真を見つめる。
夜。
アージヴァイズたちは食堂でご飯を食べながら話していた。
「・・・リリーのやつ・・・こんな時も幼馴染との食事を優先かよ・・・」
スプーンを握ったアージヴァイズはご飯を食べ進める。
「何か起きるかもしれないのに・・・」
オレンジは不服そうにスープを飲んだ。
一方、梨々香とリベードリヒは神軍拠点艦一番艦、イクイノックスに乗艦して食事をしていた。
「宿幼が自身の核を分けるとは・・・」
梨々香は白米を食べた。
「自殺するようなものなのに・・・よくやるよ」
リベードリヒは箸で焼き魚を突く。
「宿幼にそこまでの知能はない。何者かの入れ知恵でしょう」
「宿幼に入れ知恵する存在・・・候補が多すぎるね」
リベードリヒは焼き魚を食べる。
「それと・・・マッケリスに現れたアレスって何者?」
リベードリヒは梨々香に問う。
「血星アレス。ラーフィアと同じ新しい型の暗黒神です」
梨々香は簡単にそう答えた。
「あいつから何か馴染みがある気配を感じた。梨々香も感じ取ったんじゃない?」
「何も感じませんでしたよ」
「私の知り合いだろうか・・・」
リベードリヒはそう呟くと鼻で笑った。
「・・・」
梨々香は焼き魚を食べながらリベードリヒを見つめる。
「陛下、チダリア上空にて極限夜光が発生。被害は甚大とのことです」
ローラは襖越しに報告する。
「ご苦労」
梨々香は襖を見つめる。




