六十三章 極秘調査へ
同年、一月十三日。
レムフィトのフィトナーゼラジオ放送局が放送しているエドワーズ町の怪事件がレムフィト中で話題になっていた。
レムフィト国レミリア州にあるレムフィト基地の食堂でもこの怪事件は話題の中心となっている。
「不思議な話もあるもんだね」
エコーはラジオを聴き続ける。
「私が若い時、神気燃料輸送機の空中爆発事故で同じような異常現象が起きてちょっと話題になりましたよ」
ローランはエコーを見て笑む。
「そうなの?」
エコーはローランを見る。
「えぇ。雲が虹色にピカピカ輝いた直後に金色の雨が降ったとか」
「非安定型ってマジで怖いもんね。偵察機が離陸前に爆発したとかまぁまぁよくある話だったよね」
レイチェルは笑いながら語る。
「そんな怖い燃料があったんだね・・・」
オレンジは少し怖がる。
「非安定型神気燃料は今でもあるよ?純正神気燃料っていう名前で使われてる」
リリーはアージヴァイズたちを見る。
「そうなの!?怖!!」
アージヴァイズはリリーの言葉に驚く。
「安定型神気燃料は寒さに弱いからね。点火しないとか、凍るとかそういう問題が起きる」
「へぇ~」
アージヴァイズたちは感心する。
リリーたちとの雑談を終えたローランは総帥室へ行ってクリスティーナと話をした。
「クォーツの産地は判明しましたか?」
ローランはクリスティーナを見てそう言った。
「いや、まだだ。採掘に関わった採掘職人を捕まえて聴取を行ったが、話す前に病死してしまった」
クリスティーナの声は苦渋に満ちていた。
「病死?全員が??」
ローランは椅子に座る。
「採掘職人が病死するのは珍しいことじゃない。酸素濃度が薄い場所や有毒ガスが発生している場所での作業を強いられるからな」
クリスティーナは資料に触れる。
「・・・また何もわからないままですか・・・」
ローランはクリスティーナを見つめる。
「仕方ないさ・・・どうにかできることじゃない」
クリスティーナはお茶を淹れる。
クリスティーナとローランが見つめ合っているとドアがノックされた。
「入れ」
クリスティーナの言葉と共にドアが開いてレムフィト政府の官僚が来た。
「総帥閣下。例のクォーツを密売していた商人が情報を吐き出しました」
レムフィト政府の官僚はクリスティーナに報告する。
「産地は?」
クリスティーナはレムフィト政府の官僚に問う。
「それが・・・レムフィト北西部のルーズレッド州にある廃キャンプ場近くの川だと言うんです」
レムフィト政府の官僚は少し不思議そうに答える。
「・・・ベネト副総帥。レムフィト軍で調査を行ってくれ。もちろん、極秘でな」
クリスティーナは怪訝な表情を浮かべながらもローランに命令する。
「わかりました」
ローランはそう言って立ち上がった。




