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五十八章 襲来、血星(けっせい)アレス

邪眼の乙女を見た住民たちは悲鳴を上げて逃げ惑い始めた。

「何だよあいつ!!」

アージヴァイズは神軍の組織員を次々と格闘のみで殺していく邪眼の乙女を見る。

弾き飛ばされた剣が建物のガラスを割って防犯ブザーが鳴り始めた。

「避難するよ!倒れないようにね!」

エリーは避難所に向かって走る住民たちに続いて走る。

「こちら警備八区!襲撃者あり!!応援求めます!!」

剣を握った神軍組織員たちが現場に到着した。

「属性剣技・水、水流斬り!!」

神軍組織員たちは邪眼の乙女に接近する。

「・・・」

邪眼の乙女は神軍組織員たちを次々と格闘で薙ぎ倒していく。

「・・・随分と暴れてくれるな」

本を手に取ったリリーはそう言うと弾き飛ばされた剣を鉄の粉に変えた。

「知恵なし礼儀なし・・・もう片方の宿幼が作る物はどれも欠陥品だな」

リリーは歩みを進める。

「へ、陛下!」

掴まれて持ち上げられた神軍上位組織員1はリリーを見つめる。

「ふむ、陛下か」

邪眼の乙女はリリーの手を避けていとも簡単に蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされたリリーは防犯ブザーが鳴り響く建物に突っ込んだ。

「・・・」

リリーは途轍もない速度で邪眼の乙女に向かって剣を振り下ろす。

「・・・」

邪眼の乙女は振り下ろされる剣の側面を叩いてその身を折るとリリーを掌底打ちで吹き飛ばした。

「お前では話にならん。さっさと去れ」

邪眼の乙女は立ち上がるリリーを見つめる。

「私が本気を出しているとでも?」

リリーは血を拭った。

「貴様がどれだけ力を出そうが私には敵わない」

邪眼の乙女はリリーに微笑む。

「貴様のことは全てお見通しだ。華千﨑 白梅」

邪眼の乙女の言葉にリリーが少し驚いた。

「・・・」

リリーは笑いながら歩き始めた。

「ふむ、奇妙な冷気だ」

邪眼の乙女は宙に浮かび、髪の毛が白く染まるリリーを見てそう言った。

「神技、魔羅界壊!!」

宙に浮いたリリーが笑みながらそう言うと空間が歪み始めた。

空間に亀裂が入り始めたその時、血色の神気風が吹き荒れて技が解除された。

「・・・」

ゆっくりと着地したリリーは地面に片膝をついた。

「つまらん技だ」

「・・・」

リリーは目の前まで来た邪眼の乙女を見る。

「良い技を見せてくれた礼だ。私の名を教えてやろう」

邪眼の乙女は血色の神気弾を生成した。

「私の名はアレス」

邪眼の乙女、アレスがそう言うと二つの炎が降って来た。

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