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五十四章 ベラ・ジ・ルル皇国の内情

観光を終えたリリーたちは馬車に戻った。

馬たちも休憩が終わって準備が完了していた。

「じゃあ、引き続きお願いします」

リリーは運転手を見て笑む。

「お任せくださいませ」

リリーたちを乗せた馬車は走り出す。

町を出ると、広がっていたのは殺風景な田舎道ではなく水産物の養殖場だった。

厳重に管理される養殖魚は生食も可能だ。

「都市まであとどれくらい?」

キャロルはリリーに問う。

「町を二つ過ぎたらマッケリスだよ」

リリーは小説本片手にそう答えた。

「なんかさ、ベラ・ジ・ルルの出版社が出してる旅行雑誌ってマッケリスを首都って紹介してるよね」

「うん」

「女皇とか女王が居る国の首都ってさ、王都なんとか~って言わない?普通」

「王都は別にあるからね。私たちが向かっているマッケリスは神軍が管理する都市なんだ」

リリーとカレンは雑談を交わした。

大都市マッケリスは神軍が来たことによってできた新都市である。

本当の首都は王都ベラジスクという数十万年の歴史がある場所だ。

しかし、この王都は人がほぼ居ないボロボロな城下町が広がる廃城のような場所であるため国民も政府もあまり知られたがらない。

「マッケリス・・・超楽しみ~」

レイチェルは嬉しそうに体を揺らす。

「どれくらい都会なの?」

キャロルはワクワクしながら問う。

「みんなが思っているような都会ではないかな。自動車はなくて、移動手段は変わらず馬車だ」

「また馬車!?」

リリーの答えにオレンジたちは驚き落胆する。

「お客さん方」

運転手が大声でそう言うと、オレンジたちが運転手を見た。

「マッケリスの馬車をこんな田舎馬車と一緒にしちゃダメですぜ」

運転手の声にオレンジたちが反応する。

「どう違うの?」

グリードリヒは運転手を見る。

「マッケリス馬車は白塗りで純金の金具っていう風に統一されてまして、馬も毛並みが綺麗で背が高くてもぉ~すごい」

「へぇ~」

「それに、マッケリスは治安が良くて物価が安い!部隊長級様の直属部隊が警備をしていて物価はそこらにある町の半分以下!」

「あんな町に住めたらどれだけ幸せか・・・」

運転手はため息交じりにそう言った。

「治安が良くて物価が安いのに住めないの?」

「マッケリスに住むには信用が必要なんです。何人もの上位組織員と知り合って紹介状を貰い、部隊長級様からの審査を受けてやっと住めるんです」

「まぁ、あちきみたいな田舎馬車の運転手には無理ですよ」

運転手はそう言って笑った。

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