五十三章 カナルッタ町観光
同年、十二月十二日。
リリーたちを乗せた馬車がセザンナス町を出発した。
馬車は殺風景な田舎道をひたすら走ってカナルッタ町に着いた。
「やっと町だ~!」
グリードリヒは馬車から降りて伸びをする。
「はぁ~・・・疲れた・・・」
ジュリアはぐったりしながら降りる。
「もっとすごい車とかだと思ってたのに・・・」
オルガは不服そうに言葉を漏らす。
「良いじゃん、馬車。なんか子供の頃を思い出したよ」
キャロルはオルガを見て笑む。
「どこが良いんだよ・・・この田舎娘が」
オルガは蔑んだ目でキャロルを見る。
「食べ歩き!食べ歩きしよ!」
エコーはリリーたちを見て笑む。
リリーたちが食べ歩きしていると、ワイン屋に通りかかった。
「私の名前!私の名前のワイン!」
レイチェルはワイン屋の陳列窓にある古代の瓶を指さす。
「レイチェルなんてどこにでもある名前じゃん」
木桶を持ったカレンは寿司を食べる。
「どれどれ~いくらかな~」
レイチェルはワイン屋の陳列窓にある古代の瓶を見つめる。
「・・・何この値段・・・」
レイチェルは値札を見てドン引きする。
「これっていつ醸造??」
寿司を食べ終えたキャロルはリリーに問う。
「数億年前かな」
リリーは笑みながら答えた。
「絶対飲めないじゃん!!」
レイチェルはリリーを見て大声でそう言った。
「というかよく残ってるね!」
驚くキャロルは古代の瓶を見つめる。
「当たり前じゃん」
リリーはレイチェルを見て笑う。
「これは入れ物の価値。中には何も入ってないんだ」
リリーはレイチェルを見て笑む。
「古代の瓶か・・・どんな歴史的一品なんだろう」
カレンは古代の瓶を見て心を躍らせる。
「あれ?ミッケちゃんじゃん」
青眼、黒髪ツインテール、灰色のワンピースで身を包んだ褐色肌の乙女、カスミ・ローゼ・カーリン神軍部隊長組織員乙はミッケを見てそう言った。
「お姉ちゃん!!」
ミッケはカスミを見て驚く。
「え!?」
レイチェルは酷く驚きながら声を漏らした。
「ミッケの姉ちゃん!?」
アージヴァイズたちはカスミを見て驚く。
「カスミ・ローゼ・カーリン。よろしく」
カスミはアージヴァイズたちに手を振る。
「元気にしてるみたいだね。ミッケちゃん」
カスミはミッケを見て笑む。
「お姉ちゃん・・・生きててよかった・・・」
ミッケはカスミを見て涙を零す。
「強くなってくれた?お姉ちゃんを助けられるくらい」
カスミはミッケを見て笑む。
「・・・強くなれなかったよ・・・」
ミッケはうつむく。
「コラッ!」
カスミが優しく声を上げると、ミッケがカスミを見た。
「ミッケもまだ若いんだから、まだまだ強くなれる。すぐ諦めちゃうのは私たちの悪い癖だよ」
「うん・・・強くなる!」
ミッケは涙を拭いてそう言った。
「強くなって、お姉ちゃんを助ける!」
ミッケはカスミを見つめる。
「強くなろうね。私たちはたった二人だけの大切な家族なんだから」
カスミはミッケの頭を撫でる。




