四章 リリー・ゼノクイーン対フライ・カルデッドディア
「・・・ゼノクイーン・・・」
フライ・カルデッドディアが降下してくる赤色の戦姫を睨みながら忌々しげに呟いた。
「おうおう! 雑魚だの四級だの吹聴してた戦姫乗りが、なんで死にかけてんだ!?」
東和連合軍所属のリリー・ゼノクイーンは不敵な笑みを浮かべた。
「奴が来た! 集中攻撃だッ!」
フライが叫ぶと同時に彼女は神気活性状態へ移行。
群青色の疑似神気が大気を震わせ、周囲のI-1乗りたちはその圧力に息を呑んだ。
「なんて力・・・!」
青い光を纏ったフライの拳がゼノクイーンの刀を鞘ごと殴りつける。
「拳技、魔龍衝撃!!」
凄まじい衝撃波がリリーを吹き飛ばしたが、彼女は空中で一回転して踏みとどまった。
「・・・流石に効くな。ハハッ」
リリーは鼻血を親指で拭い、不敵な笑みを浮かべて急上昇した。
太陽を背に受け、無数に放たれるエネルギー弾を華麗に回避していく。
「あそこか」
逆光の中、リリーは呟くと同時に反転する。
そして、弾丸のようにフライへ突っ込み、鞘を突き立てて地上へと押し込んだ。
地響きと共に赤い光が炸裂し、巨大な土煙が戦場を覆う。
「どれだけ集まっても変わらないっての」
リリーは構造色に光るエネルギーの中からフィルムのようなものを取り出す。
「本当に聞かん坊だね」
構造色に光るエネルギーを浴びたリリーが集結する敵軍を見据えた。
「良いぞ! やれッ!」
逆転の予感にツァノたちが歓喜したその瞬間、禍々しい紅き結晶の剣がツァノの首を音もなく刎ね飛ばした。
「のんきな奴らだ。私以上にな」
右手に血塗られた剣を、左手に純米酒の瓶を持った白髪の疑似神姫キッド・クイーンノア。
彼女は冷ややかな赤眼で戦場を見下ろすと、酒を煽り残酷な嘲笑を浮かべた。




