四十六章 明かされる懸念
凄まじい熱は千蘭宮御所より昇り、疑似神姫たちを焼いていく。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
燃えるグリードリヒ・フォンドレシアたちは叫びながら急降下して湖に飛び込んだ。
「う、嘘だ・・・!!触れるどころか・・・姿すら見ていない・・・!!」
燃えるエミリア・ミーティアは周りを見ながら水色の疑似神気を纏って防御態勢に入った。
「ッ!!」
冷や汗を垂らすエミリア・ミーティアは凄まじい速度で昇って来るその烈炎に消し飛ばされた。
湖から引き揚げられた疑似神姫たちは、千蘭宮御所に居る専属医師たちによる救命活動の末に意識を取り戻した。
「・・・ごばぁッ!」
大火傷を負った緑眼、白髪ツインテール、黄緑色と赤色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌の少女のような女性、ジュリア・トムソン・レイモンドは口から水を吐き出して激しく咳き込んだ。
「良かった。全員無事ですね」
水眼、青黒髪ツインテール。青黒色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ乙女、ユリカ・本白水・グレニスターは笑む。
「・・・お前・・・」
息を上げるジュリアはユリカを見る。
「全員無事ですか?」
梨々香はジュリアに向かって歩みを進める。
「神軍の・・・トップ・・・!!」
ジュリアは梨々香を見て目を見開く。
「安心してください。月浜まで送りますから」
梨々香はジュリアを見て少し意地悪な笑みを浮かべた。
「・・・」
ジュリアは何とも言えない表情を浮かべた。
「陛下」
眉を顰めたユリカは梨々香を見て呆れたようにそう言った。
「冗談だよ」
梨々香は軽く笑う。
「治療が終わり次第好きな所へ送ろう。大体わかっていますがね」
梨々香はジュリアを見て笑みながらそう言うと御所に戻っていった。
「お前たち、怪しまれるような行動は止せ。陛下はいつも以上に気を張っておられる」
ユリカはジュリアを水泡に包み込む。
「また水ッ!!」
ジュリアは驚き水の中でもがく。
「あれ?息ができるし、喋れる」
驚くジュリアは癒えていく火傷を見る。
「遥か昔、私の師匠を打ち破り、若き頃の私を負かした神がこの俗世に降臨したかもしれない」
梨々香は第一の神具を吸収して眠りについたリベードリヒを見つめる。
「へ、陛下を・・・打ち破った・・・」
神軍幹部たちは梨々香の言葉に驚く。
「その神は、魔女が創造した最強格の神。砲神テルメス・・・」
梨々香の脳裏に砲神テルメスとの記憶が閃光のように流れていった。




