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四十三章 巨星、堕つ

急ぎ足で基地へと戻って来たアージヴァイズは崩れた基地を見ると、周りを見ながら走り始めた。

「みんな・・・生きてんのかな・・・」

アージヴァイズは絶望と悲壮が入り混じった表情で崩れた基地を歩く。

アージヴァイズは足を止めると向かい合うみよりとニーナを見た。

「・・・久しぶりに見たわ・・・あなたの顔・・・」

ニーナはみよりを睨む。

「字江摩野戦線も六十年以上前になるのね」

みよりは笑みを浮かべる。

「よく笑えるわね・・・この鬼畜が・・・」

「戦場になればどうなるかということも考えずに月浜と結託し、アーヴァンという神国と戦うことを選んだあなたたち字江摩野島民が悪いわ」

「・・・」

ニーナはみよりを睨みながら歯を食いしばった。

「私ももう明日にでも死ぬかもしれない老人。床に臥せるその時が来たら祝うと良いわ」

「そうはさせないわ。私たちが必ずお前を殺す」

「ニーナ、例の潜水艇を見つけた」

TT-42B-48 ドロシー・カックエルはニーナを見てそう囁いた。

「・・・間違いないの?」

ニーナはドロシー・カックエルを見て少し驚きながら呟いた。

「あの緑の船首、間違いなく神具輸送船だ」

「目的地は?」

「千蘭宮皇国だ」

「急いで行くわよ」

ニーナはTT-42B-44 カルジェルドを装備した。

ニーナ・カルジェルドはみよりを深く睨みつけると、ドロシー・カックエルたちと共に空高く直上していく。


同年、九月二十四日。

モントベルワーズビーチ基地が復興するまでの間、同じく北海岸にある帝国基地が最前線基地として利用されることになった。

約百五十年閉鎖されていた帝国基地にはレムフィト帝国時代に使われていた遺物級の設備と武器が残されていた。

「どうしたもんかな・・・」

「六ミリ弾って何だよ・・・そんなもんねぇよ・・・」

「サーベル・・・大砲・・・」

レムフィト軍の上層軍人たちは残された武器を困ったように見つめる。

「おぉ!おぉ!懐かしい代物じゃないか!」

桜花は残された武器を見て目を輝かせる。

「あ、五彩社長」

ローランは桜花を見る。

「私たちが泣代に居た頃使っていた武器にそっくりだ!」

桜花は興奮気味に古い歩兵銃を見つめる。

「処分に困っているなら私が一括で買い取ろう!全部まとめて百リズでどうだ!」

「本当ですか!?ありがたいです!!」

桜花の提案にローランは目を輝かせる。

(あぁ・・・買い叩かれて可哀想に・・・)

リリーはしょんぼりする。


同年、九月二十五日。

みよりが倒れ、モントベルワーズ州大病院に搬送された。

みよりの大事に橘花国から政府官僚と軍人たちが駆け付け、最期の言葉をかけている。

寝た状態で少しずつ話を聞いたみよりはゆっくりと永遠の眠りについた。

共存共栄の栄華に憧れ、目指し、国民に愛された東の大君主、橘 みよりは生前に残した意向により、レムフィトのサンウォーター大聖堂の墓地に埋葬されることになった。

みよりが入った棺は橘花国旗とアーヴァン王国旗で包まれ、橘花の紋章とアーヴァン紋章が刻まれた墓に埋葬された。

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