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四十章 燃ゆる華の太刀

「・・・」

直上するリリー・ゼノクイーンは空に浮かぶ黒い点に向かって錆びた剣を投げた。

「ひ、人が空を飛んでる・・・」

オレンジ・ゴールドマスターはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見て驚きながらそう言った。

「神具はどこ?教えてくれさえすれば痛いことはしないから」

グイードリヒ・グヴァンゼァムはアージヴァイズ・レプシデシアを見て笑みながら言った。

その瞬間、アージヴァイズ・レプシデシアたちの間を通って錆びた剣がグイードリヒ・グヴァンゼァムに向かって飛んでいった。

「・・・」

グイードリヒ・グヴァンゼァムが錆びた剣を弾き飛ばした瞬間、途轍もない速度で直上して来たリリーのアッパーが顎に直撃した。

「アァ・・・ァ・・・」

グイードリヒ・グヴァンゼァムは口から黒い液状神気を垂らしながらポロポロと歯を落としていく。

「神具なら海だぜ。今、お前が弾いた剣がそれだ」

リリー・ゼノクイーンはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見てそう言った。

「・・・リリー・・・・・・ゼノクイーン!!」

血眼になったグイードリヒ・グヴァンゼァムは黒い光翼を生やすと共に神気風を放った。

「・・・」

リリー・ゼノクイーンは黒鞘に納まった太刀と間違うような大きさの刀の柄に触れるとゆっくりと抜いていく。

(せん)(はな)が刻まれた金の鎺を越え、赤い稲妻を纏った朱色の刀身が姿を見せる。

赤い稲妻は赤く燃ゆる炎へと変わり、ゆっくりと大気を熱していく。

基地の機能は熱によって完全に破壊された。

「・・・」

神刀華炎(しんとうかえん)を握ったリリー・ゼノクイーンはグイードリヒ・グヴァンゼァムが振るう黒の剣を避けた。

(なんだよこいつ・・・未来でも見てるのか!?)

グイードリヒ・グヴァンゼァムは変則的に振られる黒の剣をいとも簡単に避けるリリー・ゼノクイーンを見て驚愕する。

グイードリヒ・グヴァンゼァムは黒の剣を真っすぐ振るった瞬間、神刀華炎の一閃がグイードリヒ・グヴァンゼァムの腕を捉えた。

グイードリヒ・グヴァンゼァムの視線がわずかコンマ数秒ズレた瞬間、神刀華炎の切っ先がグイードリヒの腹部を深々と貫いた。

「ご苦労」

リリー・ゼノクイーンはグイードリヒの胸に手をかざして紅色の水晶板を取り出した。

「もう休め」

リリー・ゼノクイーンが神刀華炎を引き抜くとそこから溢れるのは鮮血ではなく墨のような真っ黒な神気だった。

「陛・・・下・・・」

傷口から神気を噴き出すグイードリヒはそう呟きながら墜ちていった。

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