二十五章 恐怖の中立国際調査団
同年、九月七日。
橘花国にディールズ貴国率いる中立国際調査団が来た。
少女たちも強制労働者たちもこの時だけは基地の外に出され、基地への帰還が一日禁止される。
「こんな時だけ私たちを外に出すんだね」
赤い横線が一本入った黒い服を着て黒いショートパンツを穿いたリリーの横後ろを歩く黒いシャツに青いパーカーを着てデニム生地のスカートを穿いたエコーはリリーを見てそう言った。
「N.I.I.Tの評価次第で物品や通貨の価値が決まるからね」
歩道を歩くリリーは前を見てそう言った。
「通貨価値まで・・・」
エコーの少し後ろを歩く橙色のフリルがついたワンピースで身を包んだオレンジはリリーを見てそう言った。
「ディールズはまさに経済の中心地、ディールズの崩壊は世界経済の崩壊を意味するんだにゃ」
オレンジの後ろを歩く灰色のワンピースで身を包んだミッケはオレンジを見てそう言った。
「五彩重工もディールズの企業なんだってな。逆らうのは絶対無理だ・・・」
リリーの横を歩く黒い長袖シャツを着て黒いショートパンツを穿いたアージヴァイズはリリーを見てそう言った。
「言い訳するのも怖くてできない。だから評価が大幅に下がりそうな存在を隠すんじゃないか」
リリーはアージヴァイズを見てそう言った。
「そうか・・・」
アージヴァイズはリリーを見てそう言うと、前を見た。
少女たちはリリーの奢りでカフェのバルコニー席でのんびりとお茶し始めた。
アージヴァイズたちはお茶を注文し、リリーはカフェオレを注文して飲んでいた。
「どうしてバルコニーなんだよ」
アージヴァイズはリリーを見てそう言った。
「ここからすごい景色が見れるんだよ」
リリーは外を見てそう言った。
橘花国の憲兵団が車道を通行禁止にし始めると、歩道に人が集まり始めた。
「なにか始まるの?」
エコーはリリーを見てそう言った。
「見てればわかるよ」
「ふーん」
エコーはリリーを見てそう言うと、外を見た。
少しすると、聞きなれない大きな音が聞こえてきた。
「うぇ!?」
エコーは驚きながら道路を見た。
装甲車すら驚く中立国際調査団専用車両とそれを護衛する最新鋭の装甲車が列になって走り抜けていく。
「す、すご・・・!」
オレンジは最新鋭の装甲車を見て驚きながら言った。
リリーは基地へ向かう中立国際調査団を見つめていた。




