二十章 異端の神具
夜が更けるとリリーは一人で星空を見始めた。
リリーが少しの間星空を見ているとカルジェンが来た。
「星空が好きなの?」
カルジェンはリリーに近づいて空を見上げる。
「好きだよ。星空を見てると親しかった者たちを思い出す」
リリーは人の灯りがない空に広がる星の海を見つめる。
「・・・今、何を考えてるの?」
怪訝な表情をするカルジェンはリリーを見て迫るように言った。
「色々」
「リリー。私たち、もう友達だよね?」
「まぁ・・・そうじゃない?」
リリーはカルジェンを見てそう言った。
「ゼノクイーンが神具だって・・・知っているよね?」
カルジェンはリリーの胸元を見つめる。
「知っている」
リリーはゆっくりと立ち上がった。
「だが、お前たちが求めるような神具ではない」
リリーはカルジェンの周りを歩く。
「・・・」
カルジェンは目だけでリリーを追う。
「"生きた異形"の力が宿る恐ろしいものだ」
リリーがカルジェンに背を向けた瞬間、カルジェンが手に疑似神気を纏った。
その瞬間、一本の刀の峰がカルジェンの肩に触れた。
「・・・」
冷や汗を垂らすカルジェンの手から疑似神気が糸のように解けて消えていく。
「・・・」
最上大業物燦海を握った桜は無言のまま冷徹な眼差しでカルジェンを見つめ続ける。
「責任を負えないような行為は止せ。この世界に人が対処できる事象などないに等しい」
リリーはカルジェンを見てそう言うと神気風をぶつけて意識を瞬時に刈り取った。
「万象様、アウス山岳の森林にて六合様が倒れております」
桜は最上大業物燦海を白色の鞘に納める。
「すぐに向かおう。こいつは任せたよ」
リリーは桜を見てそう言うとゼノクイーンを展開して飛んでいった。
夜空を飛ぶリリー・ゼノクイーンはアウス山岳の森林部を見る。
リリー・ゼノクイーンは森林に怪しい部分を見つけると降下した。
「リベードリヒ!」
リリー・ゼノクイーンは木を背もたれにして座って息を荒げるリベードリヒに駆け寄りながら言った。
「はぁ・・・はぁ・・・」
冷や汗をかくリベードリヒはリリー・ゼノクイーンを見ると、ゆっくりと瞼を閉じた。
リベードリヒの呼吸はゆっくりと元に戻り眠りについた。
「日に日に酷くなってる・・・」
リリー・ゼノクイーンはリベードリヒの脚元から溢れる闇を見てそう言った。




