百七十三章 恐怖の信号、頭不明 000.000.00000
同年、四月三十日。
精鋭医師団による治療と壮絶なリハビリを乗り越えて前線に復帰したミリア宿幼討伐隊五班は神護国に潜むという魔塊眷属を捜索していた。
「神気信号A-988,291.19831」
「神気信号A-919,288.19118」
「神気信号A-971,296.19976」
オレンジたちは無線機片手にタブレット端末の画面に映る怪しい神気信号を確認する。
しかし、追跡の結果はどれも異常なし。
神護国に潜むという魔塊眷属は見つからない。
「見つからねぇな・・・」
アージヴァイズは机に突っ伏した。
「どこに居るんだろうね・・・もしかして、昼間はミリアの外に居るのかな」
オレンジは晴れ渡る空を見る。
「ほら、休まない。神気信号はまだ出てるんだから」
ミッケは砂糖の塊をかじりながらタブレット端末を見続ける。
「ちょっと走ってきていい?」
エコーはオレンジを見る。
「ダメだよ。任務中だよ?」
オレンジはタブレット端末を見つめる。
「神気信号A-977,222.19999」
キャロッティは無線機片手に番号を伝える。
「数値に異常あり」
無線機から出るミッキーの声を聴いたオレンジたちは一斉に立ち上がった。
「ヘルベルタ級、神気信号A-977,222.19999を追ってくれ」
耳に端末をつけたオレンジはタブレット端末を見つめる。
「こちらヘルベルタ。神気信号A-977,222.19999の追跡を開始」
ヘルベルタ級衛星戦姫を装備したミッキーは端末を操作した。
「やっと見つかったか。てこずらせやがって」
アージヴァイズはタブレット端末を見て笑む。
「ゴールドマスター、神護国郊外に別の神気信号を発見した」
ミッキー・ヘルベルタは端末を見る。
「番号は?」
オレンジはタブレット端末を確認する。
「A-000,000,00001と頭不明、000.000.00000」
「・・・陛下と・・・誰だ?」
ミッケはタブレット端末を見つめる。
「・・・」
ラーフィアは辺りを見ながらゆっくりと歩く。
ラーフィアは一瞬足を止めるも再び歩きだした。
「この俗世になぜあなたが?」
ラーフィアは前を見つめる。
「この俗世から昼華の気配がした。だが、私の杞憂だったようだ」
黒眼、黒髪三つ編みポニーテール、黒いドレスを着た真っ白な肌の女性は水晶玉を見続ける。
「ここに剣王が来たら世界を巻き込む戦争になる。良い判断だとは思えないよ」
ラーフィアは謎の女性を見つめる。
「案ずるな。もう去る・・・」
謎の女性はそう言うと暗黒の霧になって消えた。
一方、ヘルベルタ級衛星戦姫にマークされた一体の魔塊眷属がミリアの町を走っていた。
「クソ!神軍め・・・!!」
魔塊眷属ドロシーはバリバリと空気を揺らすジェット音を聴きながら逃げ続ける。
その瞬間、凄まじい威力のエネルギー弾が町に降り注いだ。
「ブギャァ!!」
ドロシーが建物と共にハチの巣にされて地面に倒されると遅れてバリバリと空気を切り裂くような射撃音がミリアの町に鳴り響いた。
「ナイス!」
ミリア宿幼討伐隊五班の航空戦力と土煙を交互に見たアイリアはドロシーに向かって跳んだ。
アイリアは最上大業物日炎でドロシーの胸部と首を斬った。
「ギャバッ・・・!!」
ドロシーは空気を漏らしながら聖陽水晶になった。




