百六十八章 黒き雨の日に
オレンジたちは戻ってくるアイリアを見て楽しそうに笑む。
「意外と親切なんだね」
オレンジはアイリアを見て微笑む。
「イェーイ。評価て~ん」
アイリアは歯を見せて笑む。
「うーん・・・どういうやつなのかわかんねぇな・・・」
アージヴァイズはアイリアを見て苦笑いする。
オレンジたちが歩き始めると、アイリアはオレンジたちについていった。
町を巡回するオレンジたちがとある地域に入ろうとした瞬間、薄い黒色の雨が降って来た。
「・・・黒雨。避難するよ」
オレンジたちは店の軒先に避難した。
「はぁ・・・薄くて助かった・・・」
エコーは安堵して長椅子に座った。
「"死星災害"が多くなってきてるな・・・」
アージヴァイズは降る雨を見る。
「事態を重く見る必要があるね」
オレンジは降る雨を見つめる。
死星災害とは、この大陸の深部から溢れる神気によって発生する災害である。
現在は黒雨、赫雷、灰霧という三種類の異常気象が確認されている。
「・・・」
アイリアは降る雨を見ながら思い出にふける。
「・・・」
刀が飛び、雨に濡れたアイリアは転がるように倒れた。
「アイリア、お前は強い。しかし、今のお前はまだ未熟だ」
黄緑色眼、金髪ややカールがかかったロングヘア、黒い着物を着た女性はアイリアを見つめる。
「・・・」
アイリアは刀を握って立ち上がった。
「邪悪はこの俗世に迫り続けている。強くならなければ呑まれるぞ」
息を荒げるアイリアは金髪ややカールがかかった髪を揺らす女性と打ち合う。
「ッ・・・!!」
濃くなる黒雨を見ていたアイリアは全身がゾワりとしながら浮かぶ感覚に驚いた。
その瞬間、急降下して来た何かが咄嗟に握られたアイリアの剣と激突して途轍もない衝撃波が発生した。
オレンジたちは一瞬にして意識を失って吹き飛ばされ、凄まじい轟音と共に瓦礫が宙を舞った。




