百六十七章 アイリアの初任務
同年、三月二十三日。
休暇を終えてミリア基地に戻ったアイリアが初めての任務に出た。
ミリア宿幼討伐隊五班のメンバーたちは初任務でありながら自信満々なアイリアを少し心配している。
「私の剣すごくな~い?リリーから貰ってさ~」
るんるんで歩くアイリアは鞘に納まった剣を自慢げに見せた。
「あのボスから?本当に?」
エコーは梨々香とリベードリヒを思い出して怪訝な顔をする。
「剣を譲るような関係なら、話してくれてるだろ。お前の話なんて聞いたことないぞ?」
アージヴァイズは蔑んだ目でアイリアを見る。
「私、これでも第三代戦姫隊の初期メンバーだったから。結構強いよ?」
アイリアはアージヴァイズを見て笑む。
「じゃあ、月浜四剣士と戦ったことあるんだよね?どうだった?」
オレンジはアイリアに問う。
「・・・」
オレンジの質問にアイリアは少し暗い顔をした。
「リリーやエリーも話したがらなかったことを聞いちゃ悪いよ」
眉を顰めたエコーはオレンジを見る。
「あぁ・・・流石に仲間も失ってるしな・・・」
アージヴァイズはオレンジを見る。
「うん・・・ごめん」
眉を顰めたオレンジはアイリアに謝罪する。
「・・・私はママと戦ったんだ」
アイリアは前を向いたままそう話す。
「・・・ママ?」
オレンジは少し困惑する。
「母親・・・と?」
エコーは少し驚く。
「アンティーナ・コア。当時、魔剣士って呼ばれてたっけ・・・まぁ、私が生きてるってことは・・・そういうことなんだよ」
眉を顰めたアイリアはオレンジたちを見て笑む。
「・・・」
眉を顰めたオレンジたちは顔を見合わせた。
「まぁ、ママは生きてるし?あの頃のママはおかしくて、少し嫌いだったから・・・まだ良かったよ・・・」
アイリアは前を向いて少し悲しそうに言葉を紡いだ。
「まぁ、ちょっとは期待してるよ・・・」
オレンジはアイリアを見る。
「ありがとう。言葉をかけてくれて」
アイリアはオレンジを見て笑む。
「・・・」
眉を顰めたオレンジは申し訳なさそうにうつむいた。
「あ、お婆さんが困ってる」
エコーは困っている人を見る。
「私が手伝って来る!」
アイリアは困ってる人の所に向かって飛び出していった。
「大丈夫ですか?手伝いますよ」
アイリアはおばあちゃんに話しかけると、いくつも重ねられた三十キロの米袋を軽々持ち上げた。
「まぁ、ありがとう」
おばあちゃんは馬車の荷台に三十キロの米袋を乗せるアイリアを見て笑む。
「お気をつけて~」
アイリアは馬車に乗ったおばあちゃんに手を振る。




