百五十九章 闇打つ万華
同年、八月二十五日。
ハーゼンド山岳国で一夜を明かしたアイリアとミッケはハーゼンド山岳国を抜けた。
黒点に近づけば近づくほど規模の大きさに驚く。
はるか上空に浮かぶそれは、人口十八億人の大国がすっぽり入ってしまうほど大きい。
「アイリアはあれをどうするの?」
ミッケは黒点を見つめる。
「・・・あれを破壊して、高咲 重海を引きずり出す」
アイリアは黒点を見つめる。
「あれを!?よく一人でやろうとしてたね」
ミッケはアイリアを見て驚く。
「・・・そうだね」
「少し、焦ってたんだと思う」
アイリアはミッケを見て笑む。
同年、八月二十六日。
髪と服が靡くアイリアとミッケは渦巻く闇とそれを抑える曙陽を見つめる。
黒点は遥か上空にある。だが、その異次元の大きさから目の前にあるような感覚に襲われる。
「行こう。うちがついてるにゃ」
髪と服が靡くミッケは渦巻く闇を見ながら大業物明乃白隼を握った。
「・・・うん」
アイリアは黒鞘から最上大業物日炎をゆっくりと抜いた。
アイリアとミッケは共に走る。
ミッケから恐れの感情が出ることはない。
ミッケの勇気に背を押されたのかアイリアの心からも恐れの感情が消えていく。
「明乃白隼!」
ミッケは大業物明乃白隼を力強く掲げた。
「天道!」
アイリアは走りながら最上大業物日炎を構えた。
「飛べ!!アイリア!!」
ミッケの叫びと共にアイリアが花火玉のように飛び上がった。
「なにか来るぞ!!」
最上大業物断暗万陽を握ったローラは振り向く。
神軍幹部たちは振り返って身構えた。
「日炎!!」
力強い声と共に黄金の花火玉が渦巻く闇を貫いた。
その瞬間、小さな穴から途轍もない量の聖陽水晶片が噴き出して黒点が崩壊していった。
「こ、壊したッ!!」
グラディスは驚きながらアイリアを見てそう言った。
その瞬間、崩壊する黒点が悲鳴のようなうめき声のような音を発しながら巨大な花火のように炸裂した。
グラディスとローラとウェンディ以外の神軍幹部たちが吹き飛ばされ、地面が激しく隆起する。
そして、結晶淵地に通じる大穴の周りに広がる町が崩れて大穴を塞ぐ六合大結界に大きなひびが入った。




