百五十八章 遠き記憶にある姿
北方猫系獣人グローニアキャット族の祖先は、北極猫だと言われている。
強い天陽神気に適合するため進化し、天陽神気を浴びられるようになったことで異常に発達して人になった。
そんなグローニアキャットの中でもミッケの身体能力は高い。天才という他ないだろう。
「というか、黙ってここまで来て大丈夫なの?黒点には神軍幹部が揃ってるよ?」
大きなパンを持ったアイリアはミッケに問う。
「神軍幹部は黒点を放っておいて黒点に到達できるような人材と戦うバカじゃないよ。その後のことは・・・まぁ、何とでもなるでしょ」
ミッケはアイリアを見て笑む。
「・・・神軍から離れるんだね」
「神軍は宿幼魔塊を倒すための組織でしょ?それより上の討伐は目標としてない」
「ラーフィアと戦う気?」
「もちろん」
ミッケはアイリアを真っすぐ見つめてそう答えた。
「ラーフィアはリヴァとミューテを負かした。ラーフィアを倒すにはリヴァどころかミューテよりも強くならなきゃいけないんだ。そんなことできるはずがない」
「アイリアはそう言っておけばいい。諦めてラーフィアから逃げ続ければ良い」
ミッケは荷物を持って立ち上がった。
「待って!まだ食べてるでしょうが!」
アイリアの言葉を聞いたミッケは再び座った。
一方、梨々香はヒルデガルトと話していた。
「大丈夫かい?」
料理を持ったヒルデガルトはドアを開ける。
「大丈夫だよ」
梨々香はヒルデガルトを見て笑む。
「仕事するなよ、休めよ」
ヒルデガルトは机の上に料理を置いた。
「そうもいかなくてね」
梨々香は情報を見つめる。
「死星ラーフィアかい?」
ヒルデガルトは梨々香に問う。
「もちろん、死星ラーフィアも気になる。だが、今は血星アレスだ」
梨々香はヒルデガルトを見てそう答えた。
「アレス・・・そんな名前の暗黒神は今の今まで聞いたことがない。目撃情報だってなかったはずだ」
「だからこそ気になるんだよ」
「それに、あの姿・・・」
梨々香は情報を見てそう呟いた。




