百五十五章 レグダダ国で
アージヴァイズたちが居る拠点に戻ったミッケは資料を並べて一人で情報をまとめていた。
(黒点・・・神気異常発生が起きた場所・・・ラバログ)
ミッケは資料を見つめた。
資料一 宿幼片と協力者について。
宿幼片である高咲 重海と月浜残存勢力イェーツがラバログを占領。
イェーツの活動規模は異常なほど大きく、物資などを提供している者がいると見た方が自然だ。
同じく宿幼片であるビゼル・オブ・シーモアの動向については一切が不明である。
資料二 月浜残党軍について。
月浜残党軍は高咲重海やイェーツとは別枠の月浜残存勢力と考えて問題ないだろう。
高咲一族の当代であるアマテルがいるため、これがトップだと考えられる。
資料三 グラディスからの報告書。
黒点は強力な神気同士の衝突・融合によって創り出された界創空間である。
黒点で確認された神気濃度はアーヴァン残地の約五十倍。
黒点域に上位神以下の存在が入れば瞬時に形を失い、気化すると予想される。
曙陽によって空間の拡大が食い止められているが、縮小させることは不可能であると断言できる。
資料四 南方に入った神軍組織員へ状況説明と注意喚起。
黒点、および、神気異常・常夜化を引き起こしたのは高咲 重海と月浜残党軍である。
神気異常・常夜化で魔塊眷属、及び、闇化生物が常時強化状態になっている。
油断せず戦闘するように。
(黒点に行けばアイリアに会えるのか・・・)
ミッケは資料を見つめると、資料をまとめてファイルに挟んだ。
同年、八月二十三日。
アイリアがレグダダ国の町についた。
レグダダの歴史は長く、五千年以上と言われている。
しかし、その大半は苦しい歴史だ。
戦争、崩壊、差別、迫害、奴隷化。
そのどれもアーヴァンやノースドラゴニアに対抗しようとしたサウスドラゴニア王国が原因と言える。
「・・・」
アイリアは寂れてボロボロになった住宅街を見ながら歩く。
戦後、サウスドラゴニアはレグダダの民から生殖能力を奪い、財産を取り上げて迫害した。
サウスドラゴニア王族の横暴は王国の民すら顔を顰めるほどだったらしい。
「・・・出て来たか」
アイリアは周りを見る。
「グゲゲ」
建物から闇化生物がわらわらと出てきた。
「君たちの主は誰かな~?」
アイリアは周りを見て笑む。
「あぁ、話せないか」
アイリアは飛びかかって来た闇化生物を最上大業物日炎で斬った。
斬られた闇化生物は吹き飛ばされ結晶化して地面に落ちて砕けた。
「ブゲバゥ・・・」
闇化生物たちは最上大業物日炎を見ると逃げ始めた。
「逃がすかッ!」
最上大業物日炎を握ったアイリアは体を少し捻り、最上大業物日炎を下段で構えた。
「天道、隼炎獄道!!」
最上大業物日炎を構えたアイリアは一歩踏み出した。
次の瞬間、光の尾を引いた炎が住宅を壊し、道を創りながら進んだ。
「ダギギャァァァァ!!!!」
闇化生物たちは燃え始めた途端に聖陽水晶と化した。
「・・・流石に気力が足りないか・・・」
アイリアは息を荒げる。
「狙い通りだ!!」
闇の剣を握ったイーディス・スコット・ミッチェルはアイリアを背後から奇襲する。




