百五十章 恒星の激闘
ラーフィアが界を見て少し驚いていると界から梨々香が現れた。
「その力・・・その神気隠蔽・・・女帝様以上の精度ね」
ラーフィアは梨々香を見つめる。
「あなた、何者?」
ラーフィアは梨々香を見て凄む。
「白々しいな。アレスもじきに来るのだろう?」
梨々香は歩みを進める。
「アレスは行方不明だよ。君の駒にやられてから・・・」
ラーフィアは大戦斧グレイラを生成して握った。
その瞬間、常夜化した空に暗雲が広がって赫色の雷鳴が鳴り響いた。
「あぁ・・・君」
ラーフィアは軽やかな足取りで歩みを進め始めた。
「君・・・どれほど強いんだろうね」
大戦斧グレイラを構えたラーフィアは稲妻を放ちながら途轍もない速度で梨々香に向かった。
神刀華炎と大戦斧グレイラが激突したその瞬間、凄まじい衝撃が発生して周りに散らばった赤い炎と黒い水が連鎖的に大爆発を起こした。
そして、衝突によって発生した衝撃波が周囲の建物を容赦なく砕いていく。
「骨の数本折れるくらい我慢しろ!!」
アイリアはそう言いながらサクチャーたちを井戸の中に投げ込んだ。
「・・・」
最上大業物日炎を握り込んだアイリアは砂嵐を見ながら陽力を纏った。
砂煙の中で赤い炎の弾と黒い水の弾が何度も激突する。
そして、激突で生まれた水蒸気が砂煙を消していく。
「・・・」
神刀華炎を握った梨々香は空中で止まって白い霧を見た。
その瞬間、白い霧から無数の黒い水の弾が放たれる。
梨々香は神刀華炎で黒い水の弾を次々と斬ると飛んできたラーフィアが繰り出す蹴りを避けた。
(赫陽の天輪・・・)
梨々香はラーフィアの特殊な髪留めを見ながら攻撃を防いだ。
「天道、灼華炎冠」
梨々香は縦に一回転した。
神刀華炎から赤い炎が放たれ、赤い炎が円形に広がる。
ラーフィアは広がった赤い炎を避けつつ下がった。
(再生能力が・・・)
ラーフィアは火傷を見ると、身を反らせて神刀華炎を避けた。
ラーフィアは身を反らせた勢いを使って梨々香に蹴りを放つ。
梨々香はラーフィアの蹴りを避けて神刀華炎を振った。
梨々香とラーフィアは激しく鍔迫り合いをする。
梨々香を押し返したラーフィアは素早く攻めに転じるも梨々香はラーフィアの攻撃を全て弾く。
梨々香とラーフィアは二色の弾幕が炸裂する中で激しく打ち合う。
「・・・」
大戦斧グレイラを消滅させたラーフィアは空高く飛び上がって梨々香に手を向けて力を込める。
すると、辺りを舞う赫い灰のような神気が山のように大きな金塊に変わった。
いくつも生成された山のように大きな金塊は途轍もない速度で梨々香に接近する。
「・・・」
梨々香は神刀華炎を空を裂くように一振りすると走り進めた。
梨々香は山のように大きな金塊を避けながらラーフィアに向かう。
「・・・」
ラーフィアは大戦斧グレイラを再び生成して握る。
ラーフィアは神刀華炎を大戦斧グレイラの柄で防ぐと堪らず両手で大戦斧グレイラを握り込んだ。
ラーフィアは自身の背後に神気弾を生成して爆発させた。
爆風に押された梨々香とラーフィアは地面に向かって急降下していく。
地面に向かう二つの星の周りで赤い炎と黒い水が爆発する。
二つの星は地面に激突し、途轍もない速度で辺りに砂煙が広がる。
液状神気塗れのラーフィアは途轍もない速度で上昇して空中で静止した。
(的確で鋭い剣技・・・術に使う集中力は最低限・・・剣道と武道を疎かにせず努力してきたことが伝わる・・・)
ラーフィアは地上に漂う水蒸気を見つめた。
その瞬間、ラーフィアの背中に日の目八柱が突き刺さった。
「・・・」
神刀華炎を掲げた泥だらけの梨々香は口元の液状神気を手で拭った。
地上に落ちたラーフィアはゆっくりと起き上がって梨々香を見た。
「嘗めてたよ・・・君のこと・・・」
ふらつく泥だらけのラーフィアは梨々香を見て笑む。
「ここで決着をつけても良いぞ。死星ラーフィア」
梨々香はラーフィアを見つめる。
「遠慮しとくよ・・・華千﨑 梨々香」
ラーフィアは笑みながらそう言うと赫い灰のような霧になって消えた。
「流石に・・・」
梨々香は尻もちをつくように座り込んだ。
「疲れるな・・・」
梨々香は雨空を見つめる。




