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十四章 襲来、フィリス・フォッドー

同時刻、アウス仮設支部。

長らく凍結されていたゴールドマスターとゼレヴィアンの出撃準備が進められていた。

「相手はただの機械よ。壊すことだけを考えなさい」

通信機から響くひよりの冷酷な指示を五歳のオレンジとエコーは震えながら聞き届けていた。

前を見据える瞳の奥には、幼子にはあまりに重い死の恐怖が渦巻いていた。

しかし、出撃命令は出ない。

オレンジとエコーが恐怖する中、指令室では安堵感が広がっていた。

月浜が狙ったのはレムフィトだったという考えがゆっくりと基地内に伝播していった。

しかし、その時、レーダー波が赤く光り警報が鳴った。

「敵影探知! 識別、No.58!ダストエクスプロージョンデビルです!」

オペレーターの声と共に映し出されたのは紅い光を引いて飛来する白い影。

「防衛艦隊、対空戦闘開始!」

さやかの号令で湾岸の全火力が空を灼く爆炎の網を広げた。


だが、白い影はその中を平然と突き進む。

「・・・ふ~んふんふ~ん♪」

空にばら撒かれるロケット弾も対空榴弾もバリア一枚で無効化するフィリス・フォッドー。

彼女は眼下の艦隊を見下ろし、邪悪な笑みを浮かべた。

「さぁ! 爆発のじ・か・ん!」

縦横無尽に飛び回るフィリス・フォッドーの翼から撒かれたのは美しくも禍々しい紅い光の粒子。

「無理だ・・・勝てるわけがない・・・」

必死に抵抗を続けていた船員たちは絶望に立ち尽くす。

「バーン!」

フィリス・フォッドーが手を広げた瞬間、無数の粒子が連鎖爆発を起こす。

爆炎が海を呑み込み、防衛艦隊と海岸線の砲台は跡形もなく地図から消え去った。

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