百三十九章 傷を負いし者たち
アージヴァイズたちは第五十四魔塊眷属討伐隊の部隊長カッザーのテントへ行き、挨拶した。
「ミリア国から来ました。ミリア宿幼討伐隊五班です」
ミッケはカッザーに挨拶する。
「おぉ、君たちが中央隊か!」
酒瓶を持ったカッザーはミッケたちを見て笑む。
「リンメイ系ヴェマズ中位神の眷属、カッザーだ。君たちの噂は聞いてるよ。とても素晴らしい組織員だってね」
カッザーは酒を飲んだ。
「・・・」
アージヴァイズは酒瓶を見て何か言いたげだったが、ミッケがさっさと挨拶を終わらせてテントから出た。
「あいつ、部隊長なのに酒飲んでやがったぞ!あんなんで良いのか!?」
アージヴァイズは少し怒りながらミッケに問う。
「姉さん・・・」
キャロッティは諭すようにアージヴァイズの名を呼ぶ。
「・・・?」
アージヴァイズはキャロッティを見て首を傾げた。
「第五十四魔塊眷属討伐隊の隊員数は千三百名・・・ここに隊員らしき人はどれだけいる?」
セシリーはアージヴァイズに問う。
「・・・そう言えば、テントの中でしか見なかったな・・・それも数人だった」
アージヴァイズは少し考える。
「・・・ほぼ全滅ってことか!?」
アージヴァイズはハッとして冷や汗をかく。
「・・・」
キャロッティは黙ってうなずき、セシリーたちは悲しそうにうつむいた。
「・・・そうか・・・」
アージヴァイズはやるせなさを抱きながら少しうつむいた。
「でも、あんな態度じゃダメだと思うよ。酒に頼ったっていいことないじゃん。後ろを見ずに前を向かなきゃ!」
オレンジはキャロッティを見る。
「酒に頼っても解決はしない。それは確かだよ。でも、心的外傷後ストレス障害はそんな根性論で治るような病気じゃないということも確かだ」
セシリーはオレンジを見る。
「でも・・・」
眉を顰めたオレンジは少しうつむく。
「純粋さはときに武器となる。傷つけ、孤立させ、命を奪うことだってある。意見する前に他者を考えろ」
ジュナはオレンジを見つめる。
「・・・はい」
オレンジは不服そうに返事した。
「処罰は迎えの部隊に任せればいい。じゃないと、任務に支障をきたす」
ミッケは前を見たまま話す。
「そりゃ困る。私たちは闇化生物をボコすために来たんだからな」
アージヴァイズは雰囲気を切り替えるように声を張る。




