百三十七章 怪しげな女王
同年、八月十日。
ミッケ率いるミリア宿幼討伐隊五班が大陸南部にあるダルタ小国に到着した。
「薄暗いくせにバカあちぃ!!暑さで体力持ってかれる!!」
アージヴァイズは薄暗い空を見て叫んだ。
「南方って本当に激戦地?建物壊れたりしてないし、寂しいだけって感じがするけど・・・」
汗を垂らすエコーは周りを見渡す。
「・・・」
ミッケは水筒を取り出して水を飲んだ。
「ミリア国の皆様。ダルタにようこそ」
バロ・ラ・ダルタ女王はアージヴァイズたちを見て笑む。
「なんか・・・女王感ないな」
アージヴァイズはバロを見ながらカッターシャツをパタパタと動かして風を送る。
「失礼ですよ」
キャロッティはアージヴァイズを見る。
「良いんですよ」
バロはキャロッティを見て笑む。
「私は万象様に倣い、民に寄り添う女王を目指しています」
「民が不幸に見舞われる中、私だけが良い思いをするわけにはいきません」
バロはアージヴァイズたちを見て笑みながら言った。
「なるほど・・・」
キャロッティはバロをじっくりと見つめる。
挨拶を終えたアージヴァイズたちは軍用車両で基地に向かい始めた。
アージヴァイズたちは移動中、雑談をする。
「あの女王様、民に寄り添おうとしててすごいね」
オレンジはアージヴァイズたちを見て笑む。
「まぁな」
アージヴァイズは軽くそう返す。
「あの人、奇妙じゃありませんでした?」
キャロッティは拳銃のスライドを少し引いてエネルギー缶を見ると静かに戻した。
「え?」
オレンジはキャロッティを見て少し驚く。
「まぁ・・・ちょっとわかるよ」
レインはキャロッティを見る。
「総帥閣下みたいだったよね」
セシリー・オブ・ティアナンはキャロッティにそう話す。
「そうですね。総帥閣下の雰囲気をもっと濃くしたような感じでしょうか」
キャロッティはセシリーを見る。
「高咲 重海の家族っていうこと?」
オレンジはキャロッティとセシリーを見つめる。
「血が繋がっている程度なら良いんですがね・・・」
キャロッティはオレンジを見る。
「どういうこと?」
「総帥閣下は宿幼の神核を持っているんですよ。四分割されたうちの一つですけどね」
「マジかよ・・・」
驚愕するアージヴァイズは言葉を絞り出した。
「じゃあ、何か神核の欠片みたいなのを持ってるかもしれないってこと?」
エコーはキャロッティに問う。
「ただの可能性です。先祖が同じだったり、燦水天狐族のような長命種だったり、色々な可能性がありますから」
キャロッティはエコーを落ち着かせる。
「一応、頭の隅に留めておこうか」
ジュナ・ブラウン・ロイド=パックはアージヴァイズたちを見つめる。
「そうだな」
アージヴァイズは静かにうなずいた。
「・・・」
銃座に座ったミッケは黙って寂れた町を見ている。




