百三十章 狂気
同年、五月二十一日。
アージヴァイズは部屋で拗ね続けていた。
(あいつは天才だから、どこまでも伸びる)
アージヴァイズは一人暗い部屋で携帯端末を操作していた。
(私は凡人だから、どれだけ頑張っても限界がある)
アージヴァイズは携帯端末の画面に映るニュースを見て画面に触れ、スクロールした。
(あいつみたいな奴が居るから、私たち凡人は苦しむ)
アージヴァイズは携帯端末の画面に映るコマーシャルを見て画面に触れ、スクロールした。
(追いつけないのに努力とか何とか・・・バカみたいだ)
アージヴァイズは電源ボタンに軽く触れ、携帯端末の電源を落とした。
一方、ミッケとエコーは木刀を肩にかけて訓練場に向かっていた。
「師匠たちみんな任務とか・・・聞いてないよ」
エコーは落胆する。
「はぁ~歩き回って損した」
エコーは深いため息をつく。
「まぁ、こんな日もあるにゃ。訓練場で適当に木刀振ってよ?」
ミッケはエコーを慰める。
「うん・・・」
エコーとミッケが訓練場に行くと、そこには先客がいた。
「・・・」
キャロッティは汗だくになりながら木刀を振っている。
「アージヴァイズの妹・・・」
ミッケはキャロッティを見てそう呟いた。
「あ、姉さんのお友達」
キャロッティはエコーとミッケを見て笑む。
「すごいね。いつから振ってるの?」
エコーはキャロッティを見て笑む。
「いつ・・・」
キャロッティはエコーを見る。
「って、もう明るくなってる・・・」
キャロッティは空を見て驚く。
「暗い時から振ってたの!?もうお昼近くだよ!?」
エコーはキャロッティの反応を見て驚いた。
「私、姉さんを守ろうって決めたんです。私が守っていれば、姉さんは剣技を使わなくて済みますから」
キャロッティはエコーを見て笑みながらそう話す。
「だから・・・強くならないと」
キャロッティは木刀を見つめる。
「・・・アージヴァイズはきっと、姉らしいことをしてあげたいんだにゃ。だから、その考えだと逆に避けられる・・・」
眉を顰めたミッケはキャロッティにそう話す。
「姉らしい・・・ですか・・・」
キャロッティはミッケを見た。
「まぁ、アージヴァイズのことは私たちに任せてさ。ちょっと息抜きしな」
エコーはキャロッティの肩を叩く。
「・・・はい!」
キャロッティはエコーとミッケを見て笑みながら返事した。




