百二十二章 アーヴァン王国跡地
同年、四月二十四日。
梨々香はヒルデガルトとアーヴァン王国跡地に来ていた。
「まだ全然住めそうだね」
ヒルデガルトは机と椅子に駆け寄ると椅子に座った。
「神であっても立ち入れないほど神気濃度が高い場所だ。奴が潜むには都合が良い」
梨々香は椅子に座る。
「梨々香お兄ちゃん。あいついないよ?」
ヴェルベサは梨々香に報告する。
「そうか・・・ご苦労様」
梨々香はヴェルベサを見る。
「この後はどうする?」
ヴェルベサは梨々香を見て笑む。
「重海とビゼルを追う」
梨々香はヴェルベサとヒルデガルトを見つめる。
「・・・本当に生きてるの?あれだけの爆発だよ?」
ヴェルベサは首を傾げる。
「神核の欠片しか持ってないとも宿幼は宿幼だ。あの程度で死ぬはずがない」
「・・・」
ラーフィアは砲神眼、ブロンド髪ロングヘア、銅色のミニドレス調の服を着た乙女、テルメス・クレイス・ガンズを見つめる。
「剣王・・・剣・・・王・・・」
少女のような可憐さと底知れぬ狂気が同居した冷酷で高貴な声でそう発しながらテルメスは壁画を爪で引っかく。
「会いたいならさっさと行けばいいのでは?大陸北部に居ますよ?」
ラーフィアはそう提案する。
「あれだけ私を弄んで・・・憎い・・・この私に傷をつけた癖に・・・!」
テルメスは壁画を引っかきながら笑い続ける。
壁画の太陽がテルメスの赤黒い液状神気で赤黒く染まる。
「私の話聞いてます?」
ラーフィアは蔑んだ目でテルメスを見つめる。
「やめろ!!私をそんな目で見るな!!私は悪くない!!私は何も悪くない・・・!!」
テルメスは頭を抱えて丸くなり、怯えて震える。
「これ戦えないでしょ・・・なんでこんな奴を送り込んだのさ・・・」
ラーフィアはため息をつく。
「・・・」
アレスは怪訝な表情でテルメスを見つめる。
「戦える。私は戦える。あの男を殺せるのは私だけ」
テルメスは冷静さを取り戻すとどこかに去っていった。
「本物のテルメスはどこへ行ってしまったんだろうね」
ラーフィアは出口に通じる通路を進む。
「やはり、偽物か」
アレスはラーフィアに続く。
「わかった?」
「当然だ。モニークが語るテルメスとあまりにも違いすぎる」
アレスとラーフィアは壁に打ち込まれた螺旋階段を上っていく。




