百十六章 ナハト再臨
一方、月浜の遥か地下にある極秘施設では大きな騒ぎが起きていた。
「地下の電気系統が全て故障!神気制御装置の復旧間に合いません!」
「AZ-000の神気量が上昇!異常数値です!」
「神気抑制剤が蒸発し続けています!」
研究員たちは必死に装置を操作し続ける。
「ついに・・・ついにだ・・・」
紫眼、白髪にツインテール、紫色の服を着て赤いスカートのようなショートパンツを履いた色白な肌の少女のような女性、シゼル・フィトミア・カーリンは笑う。
「フィトミア博士・・・?」
研究員はシゼルを見る。
「明星が目覚めるぞ・・・」
(懐かしい声が・・・僕を呼び続けている・・・)
AZ-000の大型ガラス管の中に入った黒玉のような瞳の少女は瞼を開けた。
カラクリが施されたアンティーク調のドアが開くと、黒紫色の帽子をかぶり、黒紫色の服を着て黒紫色のロングスカートを穿いた高咲 重海と疑似神姫たちが入って来た。
「ま、不味い・・・」
重海は黒玉のような瞳の少女を見て冷や汗をかく。
(行かなきゃ・・・)
黒玉のような瞳の少女は天星眼を開眼させた。
「こ、これが・・・ナハト・・・」
紫眼、白髪ポニーテール、紫色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌の少女のような女性、ビゼル・オブ・シーモアが夜色の神気を見て怯えるように声を漏らしたその時、耐神気特殊ガラスが砕け散った。
「あの強烈な神気の狙いはこれか・・・」
重海はガラス片を両腕で防ぐ。
「・・・」
ラーフィアはリヴァをそのまま落とした。
「アァッ!!ガハッ!!」
リヴァは激しく咳き込む。
「流石は夜華の眷属・・・」
ラーフィアは途轍もない速度で昼空を包む星空を見つめる。
「空間そのものを染め上げるとは驚いた」
ラーフィアは空間を引きちぎって界を生み出すと、その中に消えた。




