百十三章 崩壊の先へ
一方、ひよりは橘花特区の占領に動いた陸軍師団の全滅報告を受けていた。
「兵士は一人残らず全て謎の水晶になっており・・・生存者はおりませんでした・・・」
「・・・・・・何が起きた??」
怒りで体を震わせるひよりは言葉を絞り出す。
「何が起きているかは不明で・・・」
「まぁ・・・いい・・・・・・残っている若者は?」
「の、残っている・・・」
橘花軍人は冷や汗を垂らした。
「国内に残っている若者!!五歳から三十歳!!何人用意できる!!」
ひよりは橘花軍人に怒鳴った。
「せ、千人ほどは・・・」
冷や汗を垂らす橘花軍人はそう答えた。
「な、何者ッ!!」
外から橘花軍人の声が聴こえた次の瞬間、悲鳴が上がった。
「・・・」
ひよりと橘花軍人は呆然と出入り口を見つめる。
我に返った橘花軍人は慌てて歩兵銃を構える。
「・・・」
最上大業物日炎を握ったアイリアは部屋の出入り口の前で立ち止まるとひよりを見た。
「な、何者だ・・・!貴様!」
歩兵銃を構えた橘花軍人はアイリアを見てそう言った。
最上大業物日炎を握ったアイリアは瞬間移動と間違うような速度で行動し、橘花軍人を掴んで出入り口へ投げ飛ばした。
「あぁ・・・」
投げ飛ばされた橘花軍人は声を漏らすと、失神した橘花軍人を見ながら気を失った。
「き、貴様・・・!!」
ひよりはアイリアを見て怒る。
「あれ?もしかして、覚えててくれた?」
アイリアはひよりを見て笑む。
「覚えてる・・・忘れるはずがないわ。お前のことは・・・」
「恨まれる覚えはないんだけどね。むしろ、恨み殺されるのを恐れながら生活してるかと思ってた」
「お前のせいで橘花国はこんな状態に!!」
ジャンバーの裏ポケットから金属製のキューブを取り出したひよりがそう怒鳴り始めた瞬間、アイリアが怒鳴る。
「こっちはお前のせいで子供の時間も友達も全部失ったよ!!」
アイリアは最上大業物日炎でひよりを指す。
「・・・」
ひよりはアイリアを見て冷や汗をかいて黙った。
「お前のせいで人生なにも良いことなかった・・・」
アイリアは最上大業物日炎を握り込む。
「・・・」
金属製のキューブを持ったひよりは冷や汗を垂らした。
「さっさと使いなよ・・・その黒式力塊をさ」
アイリアは怒りが籠った声で言い放つ。
「・・・」
冷や汗を垂らすひよりは金属製のキューブを見つめた。
「それを使わないとすぐに死んじゃうよ?君、雑魚なんだから」
アイリアの嘲笑にひよりは怒筋を浮かべ、金属製のキューブを力一杯握った。
「私を・・・嘗めやがって・・・」
ひよりの言葉と共に金属製のキューブは宙に浮かびキラキラと音を立てながら高速回転して変形して針になった。
「私を嘗めたらどうなるか・・・教えてやらぁぁぁぁ!!!!」
金属の針はひよりの胸に突き刺さって輝いた。
「ウワァッハッハッハ!!!!力が!!力が溢れる!!」
胸が光るひよりは大笑いする。
ひよりが神気風を放つと、仮設基地が粉々に吹き飛んだ。




