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残ったのは信仰
最終話です!
春になった。
村は新たな観光名所として、「祠跡地の神域」として整備された。
都会からの訪問者が、ソトル様の碑を拝みに来るようになった。
老夫婦は元気そうに、境内の案内をしていた。
ユウは変わらず村にいて、家の跡を継いだ。
だが、その目にあった光はもうなかった。
リナは町へ戻った。
高校に復学し、少しずつ日常を取り戻し始めていた。
けれども、夜、眠る前――
ときおり、耳元であの囁きが聞こえることがある。
「おまえの中にも、我はいる……」
リナはそれを聞きながら、目を閉じる。
「わたしは……わたしは、もう誰の器でもない。
それでも、
信仰という闇は、まだ消えていない」
部屋の電気がふっと消えた。
静寂のなかで、少女の胸の奥から、何かが笑ったように感じた。
最終話ですが、続編を用意しました!
今後載せるつもりです!そちらも読んでください!




