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〜狂壊の鎮魂歌〜 悪魔との契約書  作者: マガミノ
第一章
11/13

十一話 遊戯室

「ご馳走様(ちそうさま)でした。」


朝食を食べ終え、皆それぞれの場所へと向かいます。

ちなみにレルツィとガブリエルは、相も変わらず娯楽室。私も誘われたから後で向かう予定だ。

けれど食事前にリーヴルとエラッタ(主にエラッタ)から娯楽室とは違う、遊戯(ゆうぎ)室へと誘われたからソコへ向かう事にした。


「娯楽室より遊戯(ゆうぎ)室の方がポーカーとかビリヤード似合うけど・・・一体何を遊戯とするのかな。」


(むし)ろ娯楽室と言えば・・・何かホラ、大浴場の横とかによく見かけるような、棚に漫画とかあったりマッサージチェアが置いてあったりする所。彼処(あそこ)が娯楽室と言う響きに似合うんだけれども、此処(ここ)では娯楽室=遊戯室みたいな感じだ。



「・・・失礼・・します。」


少しだけ重ための両開きのドアを開いて声を上げる。

すると、リーヴルとエラッタが振り返ってニッコリ笑いかけてきた。


「こんにちは、澪璃(みおり)さん?どうでしょう此処(ここ)、遊戯室は。」


「ミオちゃん~!来ましたネ♪︎ボクトーッテモ楽しみにシテたんデスヨォ。」


苦手な二人に笑いかけつつ、リーヴルに言われたように遊戯室、を見回してみる。


「・・・何と言うか・・少しイメージと違いますね。」


首を傾げてしまう。

遊戯室、と言うよりも台が幾つか有るからか実験室という方がしっくりくる。

・・・実験室?

ふと(よぎ)った考えに怖気(おぞけ)がした。何を実験すると言うのか、ま、まだ実験室とは決まった訳じゃないし、遊戯室と言っていたし・・・?

ちなみにそんな事を考えているのを見通しているのかリーヴルはクツクツと笑いながら言った。


「・・・ですよねぇ。お世辞にも遊戯室には見えませんよね?けれどまあ・・」


ホラ、とでも言いたげに指を鳴らしたら私の目の前に此処では有り得なさげな代物が現れた。


「・・・えっ・・えっ?!・・・コレは、テレビゲームですよね・・?」


「ええ、そうですとも。貴方が来ると知ってから上の方に現世の機械を此処、異界に取り入れても良いか許可を頂いてましてねぇ。生憎(あいにく)、私はした事ないのですが・・・」


正直、吃驚(びっくり)だとしか言い様がない。

このアンティークで可愛い・・・でも厳かな屋敷にテレビゲーム??

つい、そのギャップに笑いそうになる。

それに気が付いたのかリーヴルはニヤニヤしている。少し気に食わない・・・


「と言っても・・私もゲーム自体は幼少期位しかしていないので余り細かな事は分かりませんよ?」


「ええ、それも承知していますよ。ですから貴方の知っている古いタイプの方です」


「Wi〇だ・・・しかも昔プレイしたディスクもあるし・・・」


思わず絶句。貴方は何処(どこ)から私の人生を覗いていたんですか。

Wi〇リモコンもちゃんとあって、しかも水色、桃色、白色、と色違いだ。用意のいい・・・

ちなみにWi〇Uとは違う。既に停止させられた旧型の奴だ。今現在の中高生~上の方々ならばよく知っているでしょう。懐かしい。


「くくくっ、生前貴方もした事があるのですから忘れていても直ぐに思い出すでしょう。私達も四苦八苦しつつ貴方に着いて行きますよ?」


「さあさ!ボク達は先に説明書読んだシソコソコ理解しちゃったンデスヨォ~♪︎だから早速プレイしまショウ★」


なんて言う事だ。なんてせこい悪魔達だ・・・

いや、コレはハンデと捉えれば良いのだろうか。経験者(幼少期)の・・

まあ良いや、折角ゆっくり楽しめるのならば楽しまなきゃ損だろう。これが夢だとしても。

私達はWi〇で対戦をしたり共闘したり・・・懐かしのWi〇スポーツをした。

ちなみに、ぺけもんのゲームも。


「あっ!昔はこんなペケモンもいましたね!」


「そうソ!ホント懐かしいネ~♪︎ペケモンだけの物語も面白いデスヨネ。D〇iの方でも迷宮(ダンジョン)系があって以前来たニンゲンのお陰でやり込めたんデスヨォ!」


「以前からエラッタさんは此処に居座ってたんですね・・・その人とプレイして教えて貰ったんですか?」


「イヤイヤ、居座ってたナンて失礼デスネ~

デモ、まあソウナンデスヨォ★

その頃のボクはゲームナンて全然分からないカラ投げて鈍器に使うモノナノカと思っちゃっタ位で。

デモ慌ててリーヴルサンの契約者サンが身を張ってゲーム機を守ったンデス。」


「そ・・・それは何と言う強烈な・・・」


身を張ってまで守るのか。

というかそれも私の以前の魂なのだと思うと馬鹿にも出来ず複雑だ。


「・・・お二人共、どうやら私の事を忘れているようですねぇ・・・蹴散らして差し上げましょう。」


「あっ」


「アアア?!」


二人揃ってKOされた。

あれ?可笑しい。リーヴルのゲームの腕がみるみる上がっていて空恐ろしい。


「ヒッ卑怯デス!リーヴルサン~!!」


「油断をして二人で楽しくお喋りをしていた貴方達がいけないのでしょうねぇ。」


ニッコリと笑っているが目が笑っていない。何故だろうか。

リーヴルの笑顔に恐れを成したのだろう。隣でエラッタは意味の分からない声を発している。


「ふう、取り敢えず休憩しません?」


「そうですねぇ、そろそろ目が疲れた頃ですしねぇ。」


「・・・・・・・・・フォハッ!で、デスネデスネェ~!!もうボク目がシパシパしちゃっていマスヨォ★」


正気に戻ったエラッタも賛同をする。

ということで遊戯室の扉の真横に設置してあるドリンクバー的な所へ行く。

カップとソーサーを三人分用意して飲み物を注ごうとする・・・が声にならない悲鳴を上げる。


「・・・・・・・・・・・・・・・」


完全に沈黙してるけれど一応この中に「?!」が付けられています。

パッと見ドリンクバーみたいなモノからウニョウニョと得体の知れない生き物が(うごめ)いているからだ。

その異変に気が付いたリーヴルがひょいと顔を出して声を掛ける。


「おや?澪璃(みおり)さん、どうされたのでしょうか。」


「い、いいえ・・・ただ、飲み物を入れようと思ったんですけれども・・・これは、一体何なのでしょう・・?」


しどろもどろになりつつも、この物体を指差して聞く。それを見たリーヴルは何故か分からないが破顔した。


「ああ、ソレですか。ソレは下位悪魔で意志のない奴ですねぇ。勝手に飲み物を用意してくれるのでお好きな物を欲しいと伝えれば良いですよ。口にせずとも伝わりますので。」


「は・・・はあ」


正直、意味が分からなさ過ぎて困惑をする。

私のその思いにも気が付いているのであろうリーヴルが愉しげにニヤニヤ眺めているから苛立ちが募る。言葉にせずともって・・・

少し戸惑いながらも飲み物の用意が完了した。

私はミルクティを思い浮かべた。


カップにはホカホカとしたミルクティが入れられていた為言葉を失う。

他のカップには、ココアと珈琲(コーヒー)がそれぞれ入れられていた。恐らく二人も同じ様にしたのだろう。


「どうぞ」


「どうも有難う御座います。澪璃さんはミルクティですか」


「ええ、好きなもので」


「ミオちゃんアリガトーございマス★ボクのはココアデスネ~♪︎」


そうして受け取ってはふはふ息を吹きかけて頂くエラッタ。

やっぱりココアはエラッタで珈琲がリーヴルだったか。イメージ通りではある。


「じゃ!再開しマショう~♪︎」


休憩が何時(いつ)の間にかゲーム再開へと変わっていて驚いた。


「あの、すみません。私この後はガブリエルさんとレルツィさんとの約束があるんです。」


「っえ~~!!なんでデスかぁ・・・残念デス。イイトコだったノニィ。」


しょぼりとするから申し訳なさが倍増する。

目を伏せる美少年の威力は半端が無いみたいで私の良心にジクジクと刺し侵食をしてくる。

という所でリーヴルが気を使ってかエラッタをいなしてくれた。ニヤニヤしてたのは変わらないけれど。

一応お辞儀をしてレルツィ達がいる娯楽室へ向かった。


「遅いぞ小娘!」


「まあまあ、私達はいない間にもビリヤードしてたでしょう?怒らないの。」


娯楽室へ入ったらレルツィとガブリエルがビリヤードで対戦をしていた。

二人共とても真剣そうな顔をしていてどちらも強いのだろうと分かる。

(しばら)くして目的の球をレルツィが入れれて勝利した。


「フン!中々に悪くなかったな。しかしまだ雑魚だ。」


「ハイハイ、対戦有難うね。」


レルツィはえばり、ガブリエルは流す。二人共楽しそうで何よりだと思っていたらレルツィが私に顔を向けた。


「小娘、早速だ。ビリヤードをするぞ。」


「ええ・・・」


「何驚いている、当然だろう。貴様は何の為に此処へ来ているんだ。」


「・・・りょ、了解しました。」


レルツィの鬼指南は昨日に続いてまた再開したのだった・・・

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