28話 ウベールとトラトラ団
名前を決めるのって結構頭使いますね。
町には必ず警備員が門に立っている。
王都からの命令ではない。
警備員がいないとモンスターが町に入ってきたら混乱するためどの町にも必然的にいるようになる。
しかし、この町ウベールには警備員がいなかった。
ヒールミアの町の半分くらいしかない面積のウベール。
しかし、家は焼けてしまっているものもあれば全壊して原型のないものまであった。
「わたしたち旅のものなんですけど、どうしたんですか?何があったんですか?」
アルファは道で、泣きながら瓦礫を片付けていたおばあさんに聞いた。
「盗賊団トラトラにやられたんだよ。みんな奪われてしまったよ。やつらは金目のものにしか興味は無かったんだが、奪ったあと家々に火を放っていったんよ。」
「ひどいよ。こんなことしなくても自分たちで働いて稼げばいいのに。」
ヨシオとミサキは町の復興の手伝いに行った。
アルファはさっきのおばあさんの手伝いをしている。
俺もなにかしよっかな。そう思っていたら下の方から声がした。
「おい。お前冒険者だろ?ちょっとこいよ。」
10歳くらいの男の子が俺を誘った。
どこにでもいそうな男の子だ。
アイテムボックスはアルファが近くにいるし、ミサキもヨシオも手伝い続けている。
やることもないしついていってみるか。
家と家の間の細い道に入っていった男の子を追いかけた。
「おい。つれてきたぞ。こいつが俺様の子分だ!」
そこにいたのは、さっきの男の子とガリガリで身長が高めの男の子。ちびで重そうな男の子。
それから短い髪の女の子、強気で俺をにらんでいる女の子。
合計で5人の子供に紹介された。
って俺、子分じゃねーし。なんなんだよ。
「子分の...えーと、何て言う名前だ?」
「ユウちゃん。その人本当にユウちゃんの子分なの?」
強気な女の子がユウちゃん?に言う。そうだそうだ!もっといってやれ!
「わかったよ。たまたま来た冒険者だ。でも冒険者って強いんだろ?トラトラなんかあっという間にやっつけてくれるぜ。」
うん。現状が全くわからない。
ちょっとはなしを聞いてみよう。
「俺はタクトっていうんだ。トラトラって盗賊団のことだよな?詳しく教えてくれない?」
「おう。俺様はユウキ。将来ランク10の冒険者として名前を轟かせる名前だ!属性は炎だぜ!」
「僕はセンタ。属性は風。だけど僕ら9歳だから冒険者になるのはまだ先なんだ。」
「おらはアキラ。属性は無。冒険者になるのは15歳からんだ。」
「わたしはエルナ。属性は雷。ごめんなさい。ユウちゃんが勝手なことをしちゃって。」
「わ...わたし、ラン。属性、闇。よろしくね。」
自己紹介が終わった。
この子達はどうやら盗賊に襲われた町をどうにかしようと集まった近所の友達らしい。9歳が3人、8歳が2人。
将来みんな冒険者になりたいらしい。
夢があっていいねぇ。
「んで、お前はトラトラをやっつけてくれるのかよ?」
「えーと、それは....。」
子供たちがキラキラさせた目でこっちを見る。
誰か助けて、盗賊なんて俺も怖いんですけど!
「話は聞かせてもらったぜ。」
「そうよタクト。何遊んでんのって思ったけどちゃんと助けてあげてるじゃない。」
ヨシオとミサキが来た。
お前らずっと聞いてたのかよ。
「俺はこのタクトがリーダーのパーティーの一員。ヨシオだ。属性は炎!」
「私もそのパーティーの一員でミサキよ。」
「あー!!俺様知ってるぜ!爆炎剣さんと雷速娘さんだろ?」
「え?!あの若手ランク10の2人なの?」
子供たちがヨシオとミサキの方に寄っていった。
ユウキなんて、さん付けしてやがるぜ。
「まぁまぁ、俺たちは盗賊討伐するよ。町長からお話があるから呼んでこいってアルファちゃんから言われたんだ。町長からの話はたぶん盗賊討伐だからな。」
「タクトって魔力が無いから探すの本当に苦労したわ。」
とりあえず、子供たちも一緒に町長のもとにいく。
ヨシオやミサキに色々と聞いていた。
どんなモンスターを倒してきただとか、女の子なのにランク10をとるなんてすごいだとか。
まぁ、俺はダメダメだからな。
子供たちに好かれなくても、いいもん。
「なぁ、ヨシオさんは何でタクトの下についているんだよ?」
俺には呼び捨てかよ!そろそろ泣くぞ、俺。
「下じゃねーよ、仲間だ!つっても、俺がタクトについていきたいだけっていう理由が一番だけどな。」
「私も同じで、タクトについていきたいだけ。」
やべぇ。地球にいた頃の芳雄と美咲みたいだな。
「ふーん。そうなんだ。仲間かぁ…。」
町長のもとについた。
「ん?ユウじゃねーか。どうしたんだ?」
「にしし。俺たちがタクトたちをスカウトしてたんだ。今回の盗賊討伐依頼のためにな。」
どうやら、町長の息子らしい。確かに眉とか似てるかも。
「すみませんね。うちの息子が迷惑をかけたね。」
ほんとだよ!お宅の教育はどうなっているんだ?!なんて言えるわけがない。
「いやいや。なかなか勇敢なお子さんをお持ちですね。後はトラトラ団討伐。このアースファミリーにお任せください。」
「私たちが奪われたものを奪い返してきてあげるわ。」
決定かよ?!まぁ、前回のマスターウイッチみたいな化け物ではないからいいと思うけど。
「だいたいの準備が出来てるからもういってくるぜ!」
「アルファにも言ってあるからもう大丈夫だよん♪ 」
準備がいいやつらめ!くそったれ。
盗賊に!やっぱり怖いんですけど!
「いーやーだー!」
俺はヨシオとミサキに腕を引っ張られながられながら町を後にするのだった。
<ユウキ視点>
「冒険者のランク10の腕前がみれるんだ。将来のためにもなるし見学に行くぞ。」
「危ないって。ユウちゃん。さすがに大人の人たちと一緒じゃないと!」
「おら、無属性んだから勉強して強くなるんだ。」
「アっ君。危ない。あの人たち、強い。わたしたち、弱い。」
「ラン。弱いから見に行くんだよ!強くならなきゃ!」
俺様とエルナとアキラは行く派。
センタとランは残る派だった。
俺様たちはいつも多数決で物事を決める。
「3対2で行く決定な。俺様たちもさっさと準備してあいつらについてくぞ。」
後ろからばれないようについていった。
僕的にはランちゃんすごく好きです!
ロリコンじゃないよ!違うんだからね。




